「世界で最も影響力のある女性」の前に立ち込める暗雲?

欧州の事実上のリーダーであるメルケル首相はトップ3入りを逃したが、「世界で最も影響力のある女性」の座は維持。習近平国家主席がトップに踊り出たため、プーチン大統領やトランプ大統領とともに必然的に順位を下げたとも考えられるが、かつての勢いを失速させる要因が続々と生まれている。

2017年の総選挙では極右AfD(ドイツのための選択肢)が勢力を拡大し、初の議席を獲得したほか、EU(欧州連合)の歴史を変えるBrexitという嵐が待ちうけている。メルケル首相にとっては平たんな道のりではないだろう。

世界第2の影響力のある女性、テリーザ・メイ首相もランクダウン。離脱交渉中のEUだけではなく自国の深い分断も埋めきれず、2017年6月の選挙では自党が下院過半数を失った。英国はBrexitに加え、深刻な住宅費高騰やNHS(国民医療制度)存続の危機など、解決すべき問題が山積みだ。メイ首相の強いリーダーとしての素質が問われている。

若い最高指導者2名が初登場、日本の指導者の評価は--?

初のトップ20入りを果たしたのは、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子兼第一副首相兼国防大臣とフランスのマクロン大統領だ。サルマーン皇太子兼第一副首相兼国防大臣は31歳、マクロン大統領は40歳と非常に若い。

サウジアラビアの最高指導者は父親であるサルマン国王だが、2017年に副皇太子から皇太子に昇格し、第1の王位継承者となったサルマーン皇太子兼第一副首相兼国防大臣は、着実に実権を手中におさめつつある。

マクロン大統領は神経科医兼大学教授の父の元に生まれ、フランスの名門パリ政治学院と国立行政学院に進学。投資銀行に勤めた後、オランド政権下で大統領府副事務総長に抜擢されるなど、絵に描いたようなエリート街道を歩んできた人物だ。2018年1月の米国訪問ではトランプ政権下で初めて国賓として迎えられた国外指導者となった(テレグラフ2018年1月23日付記事)。

日本の政界からは安倍首相が1つ順位を下げ て38位に。トップ20以下にはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が26位、ジャン・クロード・ユンケル欧州委員会委員長が33位、金正恩党委員長が36位に選ばれている。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online

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