旧ジャニーズの大規模コンサートについては、コロナ禍の2020年末に開催された嵐の活動休止前最後のコンサートが有料生配信された事例などがある。ライブ配信ではないものの、同じく2020年末に東京各地からのリレー形式で放送された「カウコン」が年明けに「完全版」として有料配信されたり、2021年12月30日に13組の所属グループが出演した「Johnny’s Festival」が同様に年明けに有料配信されたケースもあった。

 今まで大規模コンサートの配信はあくまでもレアケースだったが、今回の「カウコン」が生配信されれば、それをきっかけに配信ビジネスが本格化しそうだ。旧ジャニーズのタレントは、先述した『紅白』のように性加害問題の影響で音楽番組などのキャスティングから外されることが増えており、エージェント会社設立後の新体制下でもその状況が改善されるかどうかは不透明だ。「テレビがダメなら配信で」となるのは自然な考えで、ファンにとっても会場に行かずとも推しと時間を共有することができ、直接お金を落とすことができる有料ライブ配信は魅力的だろう。持ち時間に制限のある音楽番組より、有料であっても配信のほうが存分に推しのライブを堪能できるというメリットもある。

 『紅白』をはじめとして、大みそかのテレビから旧ジャニーズ勢は消滅するおそれがあるが、その裏側でライブ配信が大盛況となる可能性もありそうだ。それをきっかけに配信ビジネスが本格化するのかどうか、テレビ中継なしが確定している今年の「カウコン」の成否が今後に大きく影響しそうだ。