月給は63万5000円、賞与は1回につき150万円を超えると保険料は増えません。つまり、それ以上の所得があったとしても、保険料を納めて年金額を増やすことができないのです。

ちなみに、厚生年金でもらえる金額の理論上の最高額は月額約30万円です。最低限の生活を送るには十分な金額かもしれませんが、高収入の人にとっては少なく感じるのではないでしょうか。

■理由3:税金や保険料が高い

老後年金収入だけになっても、所得税や住民税などの税金や、健康保険料や介護保険料などの社会保険料は支払いが必要です。

高収入だった人は必然的に年金が多くなるので、税金も社会保険料も高くなるでしょう。そのため手元に残る年金額が少なくなり、思ったよりも生活が苦しいということが出てくるのです。

■現役時代に老後の準備を

高収入なのに老後貧乏になるとは意外と思うかもしれませんが、老後は現役時代よりも大幅に収入が減るので、収入に見合った生活にシフトできないとそうなる可能性は十分あります。

高収入だからと慢心せず、早いうちから老後資金を準備したり、資金計画を立てたりして、しっかりと老後に備えましょう。

阪田順子(ファイナンシャル・プランナー) FP1級、CFP保有。保険会社での営業、一般企業の経理職などを経て、2020年にファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用や株式投資の講座を開講。投資を中心にお金にまつわる記事の執筆・監修を行う。