第2話では、新たなキーマンとして山下美月演じる根室柚希が登場した。野球部員・根室知廣の姉であり、美容師として働くかたわら事故で他界した両親に代わり弟や祖母の世話をしている。第1話で知廣が部活終わりに電話で連絡を取っていた相手こそ柚希だった。そんな姉にこれ以上迷惑をかけたくないと知廣は、野球部はおろか学校まで休むようになるが、島を渡って説得に来た南雲のやさしさに触れ再び野球部に参加することを決める。星葉高校との練習試合では、変則的なピッチングで実力者たちを翻弄した知廣。某海賊マンガさながらのワンシーンで南雲が愛用したグローブを受け継ぎ、山下美月は乃木坂46のエースを務める人気アイドルなだけに、知廣は柚希と併せて今後のキーマンになることは間違いなさそうだ。

 第2話の前半では無気力さが目立った野球部だったが、下剋上に向けたピースが揃いだした印象だ。体力テストではエース候補の期待の1年生・犬塚翔(中沢元紀)や朴訥としたキャラクターの楡伸次郎(生田俊平)が好記録を出し高校球児としての潜在能力を示した。それに加えて日沖壮磨(小林虎之介)が野球をすることに気持ちが傾き出したことは収穫だろう。星葉高校との一戦では、急きょ出場した久我原篤史(橘優輝)が俊足を飛ばして“幻の1点”をもぎ取るなど、今後の可能性を感じさせた。

 第3話の見どころは、やはり南雲の動向だろう。教員免許を持たずに教壇に立っていたという衝撃の告白を受けて、山住香南子(黒木華)は一人野球部を支えることになるのか、それとも南雲が教師を続けるための解決策を導き出すのか。約2年後に下剋上を果たす未来を考えれば南雲が監督を続けるのは間違いないが、そこに至る道のりのなかでも今回の事件は大きな山場になるだろう。さらに、南雲の右手をさする仕草も気になるところだ。順当に考えれば投手としてのケガと見てとれるが、大学時代に関する秘密をまだ隠している可能性もある。高校球児を引っ張る立場として血生臭い過去でないことを祈りたい。