中盤、タカさんは漫才協会の定席小屋である浅草・東洋館の料金システムや集客の現状、その問題点などを聞き出し、その収益構造の脆弱さを塙に説明させたうえで、「漫才協会にいる理由ってあるんですか?」「入ってたら、何かメリットとかあるんですか?」と率直に切り込んだ。

「そう言われると……そうなんですよねぇ……それは、ずっと思ってることなんです」

 苦笑いするしかない塙だったが、「定席があって、毎日舞台に立てること」と答える。

 すると今度は、観客の年齢層が高く、酔客も少なくないことを指摘し、「若い漫才師にとって正しい修行の場になっているのか?」と尋ねる。

「非常に痛いところを突かれまして……」

 またうつむいてしまう塙だが、「15分漫才ができること」「テレビの短いネタだけやっていると、営業で30分やるといったことができない」と、そのメリットを明快に語った。