■えーっと、人肉桜とは?

──監督は今回、脚本も担当されていますが、花咲か爺さんを恐解釈するうえで、最初のアイディアはどんなものだったんでしょう?

浦崎 今回の企画を通していただくにあたって、2つ条件を出されたんです。1つは、怖いもの。1つは、見終わって恐解釈が腑に落ちること。僕自身、老人とか中年男性が活躍する映画が好きで、花咲か爺さんだったら老人VSモノにもできるし、ホラーアイコンというか、ホラーキャラとしてお爺さんを立たせることができる。これはいいなということで、花咲か爺さんを選びました。

──そこからは、すんなり?

浦崎 もう、すぐですね。人肉桜も。「枯れ木に花を咲かせましょう」っていうキラーワードがあるじゃないですか。これは絶対に映画の最後に持ってこないとなと思っていて、それを恐解釈として描いたときに、死体の残骸、肉片をつなぎ合わせて人肉桜をやろうと。

──森さんは、枯れ木に人肉桜を咲かせようと聞いたとき、どう思いました?

森 最初に台本を読んでいるときは、「ん?」って。何が起きるんだって思ったんですけど、初めて本読みでお会いしたときにイラストを見せていただいて、腕だったり脚だったり顔だったり、血だらけになっているのが組み合わさって何メートルくらいになりますっていうのを、すっごく生き生きと話してくださって、なんかちょっとヤバい人かもしれないなって思いました(笑)。