こんにちは、ライターの渡辺彩季です。 この連載では「多様な女性の働き方」をテーマに私とゲストで対談をさせていただきます。 今回のゲストはモデルの井原陽子さん。10代から芸能活動をされていましたが、一度離れてOLを経験した後、2016年からモデル活動をリスタート。現在は事務所に所属し、芸能一本で行くことを決意されました!
目次
● 今回のゲスト♡ 井原陽子さん
● インタビューする人♡ 渡辺彩季
● ウーマンダイアローグ#43 【モデル/井原陽子さん】
● 悔いが残らない生き方をしたいから、また芸能活動を始めました
● 大変さより、感謝の気持ちの方が大きい
● 達成感を得るのは、コンセプトを理解して行動できた時
● 誹謗中傷に苦しんだ過去を乗り越えました
● あえて、SNSを全く見ない日も作っています
● いつか夢の国に関わる仕事をしたい!
● インタビューを終えて…
今回のゲスト♡ 井原陽子さん
井原陽子(いはらようこ)
10代の頃芸能事務所にスカウトされ、タレント活動を開始。
就職を機に芸能事務所を退所するも、会社勤めと並行して2016年からフリーモデル・読者モデルとして活動を再開。
“左右対称の顔”として美容系広告に多数起用いただいたことをきっかけに「好きを仕事にしたい!」との思い、モデル業を本格始動。
2020年よりモデル事務所アクエリアスに所属。
インタビューする人♡ 渡辺彩季
渡辺彩季(わたなべさき)
京都府出身、東京在住のフリーライター。
女性をターゲットにしたメディアを中心に美容、ファッション、ライフスタイルなどの幅広い記事を執筆中。
美容が大好きで、コスメコンシェルジュ、全米ヨガアライアンス、アロマテラピー検定1級、温泉ソムリエなどの資格を取得。
ウーマンダイアローグ#43 【モデル/井原陽子さん】
渡辺: 早速ですが、陽子さんの現在の仕事の内容を教えてください。
井原: 企業のVPやPV、スチールモデルをしています。去年までは会社員とモデル業を並行していたのですが、今年からはアクエリアスというモデル事務所に所属して、芸能活動一本にシフトしました! 大学卒業後、就職を機に芸能活動から離れてた時期もありましたが、実はモデルの仕事を最初に始めたのは高校生の頃なんです。
渡辺: 高校生の頃からモデルの仕事を始められたのですね! ちなみにどのような経緯でデビューされたのですか?
井原: 高校生の頃に創刊したファッション誌のモデルを募集するオーディションがあったのですが、私が知らない間に同級生の友達が私の写真と履歴書を送っていて。「書類選考に合格しました」と編集部の方から私に連絡がきました。自分のなかでは何の脈絡もなく突然連絡が来たと捉えていたので「こんなことがあったんだけど……」と友達に話したところ「それ、私が送ったよ」とカミングアウトされて、そこで初めて友達が推薦してくれたことを知りました。
渡辺: 自己推薦ではなく、他薦ってことですよね? テレビでよく見るアイドルのようなエピソードみたいですね。その後、そのままオーディションを受けられたのですか?
井原: そうです。結果的には、そのオーディションで合格者が出なかったのですが、最終選考の会場に芸能事務所の方がたくさん来られていたので、そこで声を掛けてくださったモデル事務所に所属することにしました。
渡辺: お友達が推薦してくださったからこそ、今までの活躍があるんですね。高校生の頃から現在までの長い間、モデルの仕事を続けられているから、思い入れもあるのではないでしょうか。
井原: そうですね。自分で応募することはなかったと思うので、チャンスを作ってくれた友達に感謝しています。ただ、いきなりオーディションを受けることになったので、面接で話す内容も用意していなかったし、カメラテストも全然上手くできなかったし、当日に会場で他の人の受け答えを観察して「こうやってやるんだ」と学んでいました。同じ会場にいた候補者のなかで自分が一番しどろもどろだったと思います。専属モデルにはなれませんでしたが、ご縁があって芸能事務所に所属してモデルとして活動することができてよかったです。
悔いが残らない生き方をしたいから、また芸能活動を始めました
渡辺: 大学卒業後、就職を機に一度芸能活動から離れたとのことですが、またモデル活動を再開した理由を教えていただきたいです。
井原: 学生時代の友達と久しぶりに再会した時にモデルの仕事に関する話題になったんですよね。その時に「もうモデルの活動しないの?」「表舞台で活躍している陽子をまた見たいな」と言ってもらえて、もう一度頑張ってみたいと思ったんです。
渡辺: そこからどんなアクションを起こしたのですか?
井原: まずは、自分が好きな傾向のファッションが載っている雑誌の編集部にプロフィールを送りました。読者モデルとしてでもその雑誌に携わることができれば、自分の世界が広がると思って!
渡辺: 自分から行動を起こされたんですね!
井原: 本当にその雑誌が自分の理想そのものだったので、撮影に携わることでカラーに染まることができるかなと思いました。幸い、編集部からすぐに連絡が返ってきて、読者モデルとして美容のページの撮影に呼んでいただけました。この経験をきっかけに、他のファッション誌や美容誌の撮影にも参加するようになりました。
渡辺: その後、2020年からOLを完全に辞めて芸能活動一本にシフトされたとのことですが、どのような背景があったのでしょうか?
井原: 2018年からモデルの仕事依頼が増えてきたのですが、正社員と両立しながらだとやはりスケジュールの都合で参加できない撮影もあったんですよね。私は元々安定志向で、OLの仕事を優先してきたんですけど、2019年に自分の好きなことを仕事にしている人たちと会う機会が多くてたくさんの刺激を受けました。なかでも「やりたいことで生計が立てられなかったら、レジのバイトでもなんでもする」と話してくださった方が印象的で、なんて自由なんだろうと感銘を受けました。自分のなかにはそういった発想がなかったので驚いたのですが、ちょうどもどかしさを感じていたから、私ももっと好きなことをしてもいいかなと考えるようになりました。
10代の頃から芸能活動をしていて、自分が望んでいるものや楽しいと感じるものが分かってはいたのですが、なかなか一本に絞る決心を持てずにいました。けれど、冷静になって自分を見つめ直した時に、実際に行動を起こす前から「上手くいかなかったらどうしよう」と保守的になっていることに気付きました。
元々私の好きな言葉の一つに「成功者とは成功しようと決心し努力した人である。失敗者とは成功しようと決心し願った人である。明らかな敗北者は決心ができず待った人である」というものがあるのですが、最初は自分は“失敗者”のくくりだと思っていたんですよ。でも、あらためて考えてみると“明らかな敗北者”だと気付いたんですよね。私は、決心すらついていなかったんです。まだ起きてもいないことを心配して躊躇するよりも、悔いが残らないように生きてみようと一大決心しました。
渡辺: とても勇気のいる決断ですね! 実際に安定を選んで、夢を諦めてしまった人は多いと思います。
井原: いつも世間体ばかりを気にしていて「親に進学させてもらったのに」「身に着けさせてもらった教養を何一つ生かせていないな」と自分にフォーカスを当てていなかったんですよ。これまでモデルの仕事をしていても「自分から芸能活動をやっていると話した時、もし周りが微妙な反応をしたらどうしよう」と、“もし”を怖がっていました。人からの視線が気になって行動を起こせずにいたのです。
大変さより、感謝の気持ちの方が大きい
渡辺: モデルの仕事をしていて、大変だったことや苦労したことについて教えてください。
井原: 何度振り返っても無いんですよね。自分が好きなことをやっているので、仕事に対して苦痛に思ったことが全く無くて。もちろん課題はたくさんあったのですが、勉強している時間さえも楽しいと感じるんですよ。全部が楽しいから、考えても見つからないんです。
渡辺: 早朝の仕事が大変とか、季節を先取りした撮影は寒暖差に悩ませることも多いイメージですが、その辺りも全く問題ないですか?
井原: たしかに「寒い」「暑い」と感じることはありますし、長丁場であればお腹も減ります。でも、それは私だけじゃなくてスタッフさんも一緒じゃないですか? 例えば早朝の撮影だと、私の入りの時間が朝6時だったとしたら、その前からヘアメイクさんは道具を広げて待ってくれていますし、カメラマンさんはセッティングや立ち位置の確認をしてくださっていますし。私はその方たちの入り時間よりも後に現場に入るので「眠い」とか言えないですよね。モデルよりもスタッフの方々のほうが大変ですよ。
渡辺: 撮影準備は時間も手間もかかりますし、撮影開始時刻のもっと前から動いてくださっている方はたくさんいらっしゃいますものね。
井原: 私もそうですけど、現場に携わっているみなさんも大変ななかで仕事をしてくださっているので「自分が~」というより「早朝から、ありがとうございます」「寒いなか、ありがとうございます」と感謝する気持ちのほうが大きいですね。なので、特に大変と感じることはないです。