◆「2人組になれない」“四者四様”の絶望

 本作は、塾講師の潮ゆくえ(多部未華子)、出版社で働く春木椿(松下洸平)、美容師の深雪夜々(今田美桜)、イラストレーターの佐藤紅葉(神尾楓珠)の4人が主人公。年齢も性別も異なるが、4人とも“2人組が苦手”ということは共通している。1話では、4人とも2人組になれずに苦悩するシーンが映し出された。

 ゆくえ(多部)には何でも話し合える男友達・赤田(仲野太賀)がいる。しかし彼の結婚をキッカケに、赤田がパートナーから「ゆくえと2人で会わないでほしい」と言われたことで、泣く泣くその“別れ話”を受け入れる。いっぽう椿(松下)は結婚目前だったものの、彼女・純恋(臼田あさ美)を男友達に取られてしまい、結婚を白紙にされてしまう。

木曜劇場『いちばんすきな花』
木曜劇場『いちばんすきな花』第1話より © フジテレビ
 夜々(今田)は何気なく同僚・相良(泉澤祐希)と飲みに行くも、彼が下心、もとい恋愛感情を持って接していたことを知り、気軽に食事に行くことさえ難しいのかと打ちひしがれる。紅葉(神尾)は腹を割って話せる友達がいないことを嘆きつつも、旧友・梅田(田中爽一郎)からある日電話がかかってきてウキウキするが、水のセールスだったことに気付いて落胆。“四者四様”の絶望が描かれていた。