■この包囲網の中を!?

 記憶を失い、逃亡犯となったセイジ(二宮和也)は、謎の女にそそのかされて警視庁の管理官・蜜谷(江口洋介)に会いに行くことに。なんでも、蜜谷がセイジの正体を知っているのだそうです。

 しかし、蜜谷は警察の人なので、警察にいます。セイジは逃亡犯ですし、前回も未明から朝方にかけて警察に見つかっては逃亡しまくってますので、外を歩くのはもちろん危険。この日も、謎の女と2人で歩いているところに、警官2人が通りかかります。

 さあ、逃亡劇の始まりだ! と思ったら、謎の女がガバッとセイジに抱き着き、そのすぐそばを警官が素通り。女いわく「逃亡犯が楽しくデートしてると思わないでしょ?」だって。平素ならそうかもしれませんが、いまの横浜は単なるデートスポットではなく、昨夜から殺人犯が街をうろついているという警戒区域ですよ。キー局でもローカルでもそう盛んに報道されていると、ドラマも明言してます。そんな街で朝の7時台から楽しくデートしてるほうが、むしろ不審者でしょう。職質せえよ。

 その後、セイジと謎の女は徒歩で蜜谷のいる警察署に。記憶を戻したい、自分が何者かを知りたい、そのセイジの願いは理解できるんですが、何度も言うけどあなた逃亡犯だし、背格好は警察も情報共有してるはずだし、朝方の逃亡時と同じライトグレーのコート着てるし、捕まるよ。と思ったら、謎の女が「逃亡犯が自ら警察に来るとは思わないでしょ?」って。思うでしょ。警察に顔も見られてるし、逃亡犯が自ら出頭してくる可能性を警察が考慮してないわけないでしょ。

 でも、ドラマの中ではなぜか考慮してないんだよなぁ。職質もしないし、署の立哨なんて存在すらしてない。もしかしてこの謎の女は世界を司る上位存在で、この女が言う通りに現実があるべき姿を変えていっているという、そういう岩波から出てそうな古いハードSFの世界なのかなと思っちゃう。