新潟市歴史博物館みなとぴあ  

平成16年3月、信濃川のほとりに造られたのが「新潟市歴史博物館みなとぴあ」です。博物館本館では、実物資料や写真、模型などによって水の都・新潟の歴史と文化が理解できるようになっています。敷地内には、重要文化財の旧新潟税関庁舎や登録有形文化財の旧第四銀行住吉町支店などの、歴史的建造物も建っていて散策にぴったりのスポットです。

各所に配された堀をイメージした水路、広場を覆う芝生に桜や松、そして風に揺れる柳などは、かつて柳都(りゅうと)と称されたことからイメージして植栽されているそうです。

旧新潟税関庁舎

新潟は、1858年(安政5年)に締結された修好通商条約により、神奈川、函館、長崎、兵庫と並んで開港5港の一つに選ばれました。明治2年に建てられた税関庁舎は、当時の税関として現存する唯一の建物です。

関税業務を行う役所として、地元の大工が西洋建築を見よう見まねで造った建物で、「擬洋風建築」と呼ばれています。一見すると洋風の建物ですが、よく観察してみると、きんちゃく型のガラス窓やなまこ壁など、和風の技術で造られているところが数多くあります。

旧第四銀行住吉町支店

市内住吉町からこの地に移築・復原された建物は、鉄筋コンクリートづくりの建物に以前使用されていた石材をはるなど、気の遠くなるような作業を経て復元されています。花こう岩の外壁やギリシャ神殿様式の列柱などが特徴で、内外ともに、照明なども極力再利用し、無い物はそっくりに作り直されるなど、銀行だった建物の荘厳さをそのままに表現されています。2階部分は、無料で見学出来るようになっています。

湊稲荷(みなといなり)神社

1716年(享保元年)創建の小さなお社ですが、北前船の船乗りたちの信仰を集め、鎮守の森を灯台代わりに入港の目印にしていたそうです。この神社には、新潟市有形文化財第1号日本遺産にもなっている「回る願懸け高麗犬」があります。

願い事を心に念じながら狛犬を回すと願いが叶うといわれているのですが、その昔、花街の遊女や芸妓が愛しい船乗りが出港できないように荒天を祈ったという言い伝えもあります。

もう一つ、足元が麻ひもで巻かれている「足止めきつね」もいます。これも女性達が夫の深酒を止めるように願ったとか、花街で働く女性たちが客を繋ぎ留めたいと願ったことから始まったようです。麻ひもは授与所前に用意されています。どちらにしても女性の願いを聞いてくれそうな神社で心強いですよね。