皆さんは、「マインドフルネス」が一体何なのか知っていますか? マインドフルネスとは過去や先入観、雑念にとらわれることなく、あるがままに知覚して受け入れることをいいます。今回は、Google社をはじめとして、企業でもマインドフルネスを取り入れられるようになった理由をご紹介します。

マインドフルネスとは過去や先入観、雑念にとらわれることなく、「ありのままの自分」「今この瞬間」をあるがままに知覚して受け入れることをいいます。
なぜこの方法が今注目されているのか、そして大企業であるGoogle社などを筆頭に、企業でも取り組みが増えているのかわかりますか?

その理由は大きく分けて3つあります。それは
・注意力を鍛え、穏やかであり明瞭な心を生み出すことができること
・自分の思考や情動のプロセスを的確に観察(客観視)することができること
・建設的な協力関係に繋がる信頼を生み出すことができ職場環境が良くなると考えられているからです。つまりマインドフルネスを取り入れることが、仕事面にプラスになることはもちろん、人生を飛躍的に充実させることが可能になるということです。

マインドフルネスの基本は「瞑想」

マインドフルネスの基本は「瞑想」です。
瞑想と聞くと、なんだか怪しい……といった印象をお持ちの方もいるかもしれません。ですが、瞑想はたんなる心のトレーニングです。

心が次第に内側に集中し、安定する。さらにはリラックスできるのが瞑想の良いところです。スポーツジムに行くときは、体を鍛えて身体能力を伸ばそうと努力しますよね。それと同じで、瞑想は心を鍛えて心の力を付けるものです。他にもスポーツと似た点があります。

それは、どちらも人生の質を大きく変える可能性を秘めているということ。定期的に運動を始めると、体力が付き、免疫力も向上し、体つきが良くなり、気分も上昇します。瞑想もそれと同じで、心が穏やかで明瞭になり、ストレスが軽減され笑う回数が増えます。社会生活の改善に役立つということです。

なぜ今瞑想が必要なの?

瞑想は怪しいものではありません。心が穏やかになる、心のトレーニングです。
では、なぜGoogle社では、マインドフルネス法を活用しているのでしょうか?

それは今の世の中で、自分自身が感じた感情や自分の内面を知ろうとする時間が無いからです。瞑想の多くは、自己発見を目的とし、マインドフルネスは「今この瞬間」に着目します。自分の内面を知り、そして今この瞬間の出来事や感情を称える。そうすることで自分自身をコントロールしやすくなるのです。

人は、少しのことで取り乱したり、自分の感情からくる一時的な判断でミスをすることがありますが、マインドフルネスを取り入れることで、そのようなミスも防いでくれます。

瞑想に関する研究で、リチャード・デイビットソンらが行った実験があります。
企業の従業員にマインドフルネストレーニングを8週間してもらったところ、ストレスや不安を感じる度合いがはっきりと下がりました。
さらに、脳の電気的活動を測定した際に、被験者たちはポジティブな情動と結び付いている脳の部位の活動が大幅に上がっていたのです。
さらには、研究の終わり際に被験者たちにインフルエンザの予防接種を受けさせたところ、インフルエンザワクチンに対する抗体をたくさん生み出しました。

つまり、8週間「マインドフルネス瞑想」をしただけで、被験者たちはストレスや不安を感じることが減り、ポジティブな思考になっただけでなく、抗体を作り出す能力も伸びたということです。

体だけでなく、心に健康な仕事をする。これによりクリエイティブな能力を発揮できることを知っているGoogle社だからこそ、マインドフルネス瞑想を取り入れているという理由なのです。