大学生にとっては時間こそが最大の財産。前々から気になっていた興味ある分野については、単位に直接関係なくても、趣味の延長として楽しみながら学べるチャンスです。今のうちに余裕を持って学び、資格を取得しておけば、就活にも仕事にも生かすことができるかもしれません。今回は、将来きっと役に立つ大学生に人気の資格試験を5つ紹介します。
就職にも有利な資格5つ
株式会社リクルートが運営するメディア『就職ジャーナル』が2012年の就活生893名を対象に行ったアンケート調査によると、全体の70.2%が履歴書に書ける資格を持っていると回答しています。そのうち、資格を持っていることが選考に有利に働いたと感じたと答えている人は31.3%でした。
資格は何でも取れば良いというわけではありませんが、スキルが評価されやすい資格や専門的な業種・業界の場合など、所有資格を就活に役立てている人も一定数いるようです。
それでは、これから取得を目指すなら、どの資格を勉強すれば良いのでしょうか。ここでは、就活において履歴書に記載があるとアピールになるだけでなく、仕事に就いた後にも役立てられる資格を厳選して紹介します。
1.TOEIC
英語の資格として有名なTOEIC。TOEICのスコアは就職や転職などでも判断材料になることがあり、学生のうちに高いスコアを目指したいと考える人も多いでしょう。
学生市場のマーケティングを行う株式会社スマートキャンパスが就職活動を終えた大学4年生を対象に行った調査(2015年)によると、就職活動時に所有していた資格の中で最も多かった回答がTOEICで、その割合は36%という結果でした。
スコアは就職、転職活動や昇格、海外赴任など、就活生から社会人まで幅広く必要になることがあります。どれくらいのスコアが望ましいのか、目安として多くの企業では標準的なレベルは600点台、かなり評価されるのは700点台、外資系を目指すなら800点台といったところでしょう。
TOEICスコアは一般的には、初級から上級までの「聞く」「読む」能力をはかる「TOEIC Listening & Reading Test」のことを指します。通常は年10回、全国約80都市で実施され、制限時間がリスニング45分、リーディング75分で、それぞれ100問ずつを解き、990点満点で採点されます。
大学によっては、独自でIPテストを開催しているところもあるので、自分の大学が対応しているか調べてみても良いかもしれません。
2.簿記検定
簿記とは、企業の日々の経営活動を記録、計算し、財務状況を目に見えるように記帳する方法のこと。簿記検定といえば一般に日本商工会議所が主催する「日商簿記検定」(1~3級)を指します。
簿記は経理関係の職種にしか関係ないと思われがちですが、簿記の知識は社会人として仕事をするうえで欠かせない「企業のお金の流れ」をつかむための基礎となり、どの業種でも役立てることができます。
簿記を学び財務諸表の読解力をつけることで、営業やマーケティング、企画など、どの分野であっても経営的な視点から考えられるようになるでしょう。また、個人としても資産運用を考える際などに役立ちます。
実際に、簿記は例年、企業に求められる資格として上位にランキングされるほど企業側に重視されています。3級はビジネスパーソンに必須の基本知識と位置づけられ、2級は経営管理に役立つ知識として企業から最も求められる資格とされます。
就職、転職の際には履歴書における有効なアピールポイントになり、大学によっては、会計系の講義などで検定取得が単位として認定される場合もあります。2級、3級の試験は、通常であれば年に3回、各地の商工会議所で実施されます。
3.ITパスポート
ITパスポートは「iパス」とも呼ばれ、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。企業のIT化は避けては通れない道です。ITの知識もまた、社会人にとっては必要不可欠となってきていると言えるでしょう。
ITパスポートの試験で問われるのはAI、ビッグデータ、IoT、アジャイルなどの新しい技術や手法の概要から経営全般、IT、プロジェクトマネジメントなど幅広い分野の総合的知識です。受験勉強を通じて、社会人としての基礎力となる幅広い分野の基礎知識を網羅的に押さえることができます。
通常、試験は全国の受験会場で毎日実施され、コンピュータを使って解答しやすいCBT方式のため、気軽に受験することができます。社会人に必要な基礎知識とIT力を兼ね備えているお墨付きが経済産業省によって与えられ、履歴書において自らの知識を証明し、アピールできる資格です。