現代の海外留学は、費用や期間もかなりの選択肢があり、昔ほど難易度の高いものではなくなったと言われています。しかし気軽に留学できるようになったからこそ、しっかりと目的意識を持たなければ無駄足に終わってしまうことも少なくありません。そこで今回は、大学生が留学を通して圧倒的に成長するための秘訣と留学の心構えについて紹介します。
留学に失敗する人は意外と多い
渡航前に夢見ていた留学生活とはほど遠く、語学も思うように習得できず、ほとんど何も得られないまま帰国することになる学生は意外と多くいます。
留学は一生に何度も経験できることではありません。せっかく留学するのであれば、就活や社会人生活に役立てられるスキルや経験を積み上げ、一生の思い出を作れるような濃い時間にしたいものです。
留学に失敗する主な原因は「周りに留学している人が多いから」「留学すれば自分を変えられそうだから」といったあいまいな目的意識や留学前の準備不足にあります。失敗しない留学のためには「目的の明確化」と「十分な事前準備」が欠かせません。
「英語を学ぶ」「行けばなんとかなる」ではダメな理由
英語留学の目的を聞かれると「英語を習得すること」と答える人が多いようです。ただ「英語を学ぶ」という目的だけでは十分な成果を得られる可能性は低くなります。
なぜなら「英語を学ぶ」といっても「ホストファミリーと意思疎通ができればいいレベルか」「ビジネスでネイティブの人と英語で交渉ができるレベルになりたいのか」では、やるべきことが大きく違ってくるからです。
目指すべきゴールをあいまいにしてしまうと、うまくいかなかったときに途中で挫折しやすくなってしまいます。さらに英語力を上げるだけなら日本にいながらでもできるはずです。
海外留学をするからには、現地でしかできないことや挑戦したいことについて具体的に考えておかないと、充実した留学生活を送ることは難しいかもしれませんよね。
また留学希望の学生の中には「海外で一定期間生活していれば自然と英語が話せるようになる」と思っている人が多いことも事実です。
そのような人は「現地に行けばなんとかなる」と高を括り、事前準備ゼロで渡航してしまいがち……。もちろん本人のやる気やコミュニケーション能力次第では、充実した留学生活が送れる場合もあります。
しかし中には、ホームステイ初日で全くコミュニケーションが取れずに挫折してしまう人も。その後「語学を学ぶよりも人生経験のための留学だ」「気の合う日本人学生の友人ができたからそれで十分」などと、目的を都合よくすり替えてしまう人も少なくありません。
大学生留学を成功させる5つの秘訣
留学で失敗を防ぎ自分自身を成長させる経験にするためには、具体的に何をすれば良いのでしょうか。そこで大学生留学を成功させる5つの秘訣を解説していきます。
- 基礎的な語学力は留学前に身につけておく
- 語学“以外”で何を学びたいか決めておく
- takeではなくgiveを心がける
- 厳しい環境に身を置く
- 小さな失敗をたくさんする
1.基礎的な語学力は留学前に身につけておく
留学先は英語をインプットする場所ではなくアウトプットする場所だと考えましょう。留学先で英語文法や基礎的な英単語などを勉強するのは、もったいない時間の使い方かもしれません。
日本で基礎的な語学力を身につけておき、留学先で英語を実際に話してブラッシュアップを行うと良いでしょう。目安としては、日常会話を学びたい初級者ならTOEIC400~500点程度が目安になります。ビジネスで通用する英語を身につけたいなら、TOEIC700点程度の英語力はつけておきたいところです。
1年以上の長期留学の場合、「時間が十分にある」と感じるかもしれません。しかし実際には、意外と忙しくあっという間に時間が過ぎてしまうものです。留学前に「もっと語学力を身につけておけばよかった」と後悔しないためにも、十分に余裕を持って語学力を身につけてください。
2.語学“以外”で何を学びたいか決めておく
2020年4月に文部科学省が公表している「『外国人留学生在籍状況調査』及び『日本人の海外留学者数』等」によると留学する大学生の数は2009年から年々増加しています。
増加傾向にある留学者数の中で、他の留学生よりも圧倒的な成長を目指すのであれば「語学“以外”で何を学びたいのか」を決めておき、留学をデザインしていきましょう。例えば以下のようなものです。
- 留学先の大学で好成績を残す
- 留学先の大学でサークルを設立する
- 留学先でボランティア活動に従事する
語学以外にもさまざまな活動を行って学びを得ましょう。