世界中の経済が“コロナショック”によって大きな打撃を受け、私たちの生活にもさまざまな影響が及んでいることは、改めて説明するまでもないでしょう。その一方で、コロナ禍をきっかけに成長産業として注目を集めているビジネスも少なくありません。ウィズコロナという考え方のもとでは、非接触でも行えるビジネスに注目してみることが大切です。そこで本記事では、コロナウイルスと共に生きる“ウィズコロナ”の世界で需要が高まると予想されるビジネスについて解説していきます。

7割を超えるマーケターが売上の減少を明かす

欧米に比べてコロナによる被害が相対的に少ない傾向の日本においても、そのダメージは甚大です。私たちの生活にとって身近な飲食店の閉店や交通・旅行・観光産業の経営危機に加え、芸能やスポーツ、アパレル事業なども苦境に立たされています。

また普段はあまり意識することがないさまざまなビジネスにいたるまで、経済活動の停滞がもたらした悪影響は枚挙に暇がありません。

2020年4~5月に、MarkeZineの調査プロジェクト「MarkeZine RESEARCH」によるさまざまな職種のマーケターを対象としたアンケートが行われました。597件の回答のうち、77%が新型コロナウイルスの影響によって「売上が減少」したと答えています。

人々が感染拡大を防ぐために外出を避け自粛を続けてきた以上、もはや経営努力だけではどうにもならない状況であることは明白です。

2020年5月25日に47都道府県すべての緊急事態宣言が解除されたことを受けて、苦境に立たされていたビジネスも徐々に回復していくことが期待されています。しかし第2波、第3波の到来というリスクが明確に存在し、消費を喚起するような要素が少ない以上、「減少分を補えるほど反動的に売上がアップする」とは言えないのが実情です。

コロナ禍によってデジタル変革の流れが加速

「経済がV字回復を描く」という楽観論よりも、「多くの産業が今後も苦境と対峙し続ける」という悲観論のほうが現実味を帯びています。それではこのようなコロナ禍の中で、成長していく可能性が高いビジネスとはどんなものなのでしょうか。

大前提として多くの人がすでに体感しているように、あらゆるサービスのオンライン化の流れにうまく乗ることが、成功の最大の条件の一つということは間違いないでしょう。

企業が行うオンライン会議や面接はもちろんのこと、教育や医療、小売、営業などこれまで対面を前提としていた仕事も、その多くがリモート化に商機を見出していることが各所で伝えられています。

「対面から非接触へ」という大きな流れは、その気軽さや利便性によって「ウィズコロナを経て広く一般に定着するのではないか」という見立てを多くの専門家が示しているのです。

デジタル変革の流れはこの先も止まらず、「巣ごもり需要」の高まりもあってAmazonをはじめとしたネット通販やNetflixなどのデジタルコンテンツ事業、そしてそれらを下支えする通信インフラ事業などは堅調な伸びを見せていくことが予想できます。

またコロナ禍で躍進したウーバーイーツなど、食品の宅配サービスなども、人々の生活インフラの一つとしてさらに需要が高まっていくのではないでしょうか。