3、SNSに潜む危険
(1)SNSから住所や行動範囲の特定は簡単
休日のお出かけの1枚、レストランでの食事、幼稚園での行事など、思い出が詰まったこれらの写真から行動範囲を推定することが可能です。
GPS機能が付いたスマホ等で撮影すると、写真に位置情報も記録されるのは知っていましたか?
主要SNSサービスでは、この位置情報は投稿時に自動で削除されますが、観光名所や目立つシンボルが映り込んでいる場合、人によっては一目見ただけでどこかわかってしまうでしょう。
また、レストランやカフェなどの外食先で所在地のタグをつける人は多いですよね。
その際に、「よく行くレストラン」や「近所のカフェ」などと書いてしまうと、そこから住所や子供の幼稚園などがバレたり、待ち伏せなどのストーカー行為をされる危険性があります。
(2)モザイクやスタンプ入りも安心できない
写真を投稿する際にモザイクやスタンプで顔を隠している人も多いですよね。
もちろん、何もしないよりは安全性は高まりますが、モザイク修正アプリなどもありますし、今後スタンプを消すようなアプリが登場する可能性もあるかもしれません。
また、普通は気づかないような細かい場所に、反射した顔や個人情報が写りこんでいる可能性もあります。
(3)写真を悪用されることも
親にとっては子供の可愛い姿である、プールで遊んでいる姿や運動会の写真を性的な目で見る人もいます。
そのような人たちに勝手に写真を保存されたり、酷い加工をしてネット上に投稿されてしまう危険性も考えなくてはなりません。
また、AI技術を使って、本人になりすます偽動画「ディープフェイク」犯罪も増加しています。 ハリウッド俳優、トムクルーズのディープフェイク動画をみると、本当に本人のように完成度の高い動画であることがわかります。
近年、ディープフェイク技術を使い、勝手に他人の写真を使って性的動画を作成する犯罪「ディープフェイクポルノ」も問題になっており、気づかないうちに自分が投稿した写真が悪用されてしまうこともあります。
(4)他アカウントからのタグつけ機能
自分が子供の名前や、幼稚園の名前を載せていなくても、タグつけされた他のアカウントから情報がバレてしまう可能性もあります。
顔が写っている写真は個人が特定されやすいですし、人によっては名前や幼稚園の場所なども載せている人もいます。
また、親同士の交友関係などもわかってしまい、トラブルに繋がってしまうケースもあるかもしれません。
4、子供の写真を投稿する時にできる7つの注意点
では、どうしてもSNSに子供の写真を投稿したい時に気を付けるべき最低限の注意点をご紹介します。
(1)アカウントは非公開に、親しい人だけに公開する
信頼できる人のみに公開しましょう。
子供の成長連絡ならなおのことです。不用意に全世界に公開する必要はありませんので、公開範囲は適切かを確認しましょう。
(2)場所が特定されるような物は映らないようにする
少しの手がかりから、住まいは特定されてしまいます。
場所が特定できるものの映り込みは、子供の日常の居場所を知らせているも同然です。
(3)時差投稿で、その場所にいた日や時間が特定されないようにする
最近は、Instagramの投稿をタイムリーではなくずらすことを「時差スタグラム」と言ったりします。
リアルタイムの投稿はそれだけで危険が増しますし、タイムリーに居場所を知らせないことは子供の生活を守ることにつながります。
(4)顔は映さないようにする、また周りに人や子供の顔が写り込んでいないか配慮する
知人でも他人でも、他者が写りこんでいる写真をそのまま投稿するのは非常識です。トラブルの元にもなりますので許可なく載せないようにしましょう。
また、日記的な投稿であれば、顔を映さなくても内容はきちんと伝わります。
(5)裸や変顔の写真など、子どもの人権について考える
海外では子供が親を訴えたケースもあります。
次章で解説しますが、子供にも人権があることを理解する必要があります。
(6)名前やニックネームは載せないようにする
個人情報の漏洩は様々な危険を伴います。
名前やニックネームは重要な個人情報のため、インターネット上で公開しないようにしましょう。
(7)タグ付けを許可しない
タグをつけられると、他者の投稿からどこで何をしていたのか公開されてしまうことになります。
タグ付けは個人情報の漏洩やプライバシー侵害の問題につながります。実害があった場合は損害賠償請求されるリスクもあります。
これはタグ付けを許可しない設定にしておくことで自衛が可能ですので不要な人は設定しましょう。
被害に合わないためには、インターネット上でむやみに個人情報を公開しないようにしましょう。
1つ1つの情報は断片的であっても、さまざまな情報を組み合わせることで個人を特定することも可能です。
また、一度インターネット上で拡散された情報を完全に削除することは困難です。
リスクをゼロにすることは難しいですが、子供を守るためにできることは必ず取り入れましょう。