クロちゃんとナダル。この組み合わせで、こうならないはずがないのだ。そう確信させるほどにキャラクターを確立したタレントが、今のテレビ界にどれだけいるだろうか。

「バラバラ大作戦」はテレビ朝日による若手制作陣の実験番組という位置付けだ。経験の浅いスタッフにとって、これだけ意図通りに企画を成立させてくれる2人は、実に頼もしい存在だろう。若手だけではない。『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の藤井健太郎、『アメトーーク!』の加地倫三という、ほかならぬバラエティのトップランナーたちが、現に2人を信頼し、重用しているのだ。

『クロナダル』は、例えれば格闘技に似ていた。そこは、相手を堂々と痛めつけていい舞台だった。鍛錬を重ね、覚悟を決めた者しか立てないリングだった。格闘技でも、ルールをはみ出して相手を傷つければ非難の的にさらされるし、二度とそのリングに戻ることが許されなくなることもある。クロちゃんとナダルは、そのルールの際を攻めながら相手の攻撃も逃げずに受けきる、正真正銘の戦士だということだ。

 次週は互いにゴムの両端をくわえたゴムパッチン対決だという。第2ラウンドのゴングが待ち遠しい。

(文=新越谷ノリヲ)