その一方で、“制作の延期”をポジティブに捉えているスタッフも少なくないようだ。その背景には、今年7月期 に放送され、大きな反響を呼んだTBS系日曜劇場『VIVANT』の存在があるという。
地上波ドラマとしては異例の“1話1億円”と言われる大きな予算で制作された『VIVANT』。大規模なモンゴルロケを行うなど、映像的な部分でもかなりゴージャスであり、そのほかの連続ドラマとは一線を画すものとなっていた。また、世界を股にかけた謎に満ちた物語とその展開を深く考察する視聴者が続出。その考察をネットユーザーがSNSなどに投稿することで、作品の注目度もどんどん上がっていった。
「『VIVANT』がヒットしたことで、いまの地上波ドラマのトレンドは完全に“考察系”になっています。ネットでの盛り上がりを狙えるという点でも、考察できる内容にすることはとても意義深いんですよね。ただ、問題は『VIVANT』と同じレベルか、それ以上のクオリティーの高い脚本が求められるということです。二番煎じ狙いの付け焼き刃では、到底『VIVANT』クラスの脚本は作れない。だからこそ、制作にもっと時間をかけたいというのが、ドラマ制作現場の本音なんですよ」(ドラマ関係者)
もしも、ジャニーズタレントが出演しているという理由で、制作が延期されたならば、脚本を練り直す時間的な猶予ができることになる。この点を“不幸中の幸い”と考えるドラマスタッフもいるというのだ。
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