若手だと「お前おもんないな」とただただ攻撃してしまいますが、ベテランだと「お前おもんないな、俺昨日のライブでひと笑いもなかったけど」と緊張と緩和を作り、自分を下にする事で相手に腹を見せツッコミやすくしてくれます。要するに若手芸人は話をするときに自分が現在どの位置で話しているかが抜けている場合が多いのです。だから人を傷つけてしまう事が多いのです。そして正論を言っているから謝罪もないのです。
正論と正解は別のところにあって気づきはないのです。人を悪く言う時に自分を話に入れることにより悪く聞こえず、悪口から自虐に変換させて聞きやすくなります。「俺、人からイジってもらえないんですよ、イジってもいいんですけどね、面白かったら」と言う人にはイジりたいと思う人はいません。言い換えると「面白かったらイジっていいですからね」となり「つまらなかったらイジるなよ」と聞こえるからです。ベテランだったら「じゃんじゃんイジってほしい、寂しいから」最後につける言葉への配慮があります。
前者は周りの芸人に対しての不満、後者は孤独だという自虐の印象になり、可愛げがあります。本来の目的がある言葉を伝えながらエンタメにして伝えるのがベテランの素晴らしいところです。一部の悪目立ちしている若手芸人の話なんで全員ではないですからね。
「M-1グランプリの1回戦なんか声デカけりゃ受かるんじゃないの?」と言い放つ人は出場すらしていない人もいます。今の発言も自分の立ち位置が入っていないので、経験がない若い人が喋っているのです。YouTubeの動画へのコメントにも同じ事が言えます。配慮のないコメントは経験不足から来るものが多く、若い人か新人の同業者である可能性が高いです。ベテランが配慮に欠ける発言が目立つ場合があるが、そういった人はキャリアはあるが経験が足りてないと思います。結局若手芸人なのです。そして若手芸人は多少の結果が出ると有頂天になり配慮のないコメントに磨きがかかるのです。
お笑い芸人さんは世の中たくさんいますが、ネタを磨かず悪口を磨いているなんて芸人さんもいるのです。本人は自分のポジションが掴めていないので悪口を言っている自覚もないのです。これを若気の至りなんて言葉で収めたりもします。そして自分もその道を通った経験から書かせていただいております。通ったとは言ってますが通り過ぎたとは言い切れないところはあります。生きるのは難しい。