意外なところでは、Hey!Say!JUMPのデビュー曲も不安視されている。グループ名の「JUMP」の由来は「ジャニーズ・ウルトラ・ミュージック・パワー」の頭文字とされており、2007年にリリースしたデビュー曲「Ultra Music Power」は冒頭から「J!Johnnys’!」という歌詞で始まる。もし歌詞を置き換えるにしても、グループ名の関係で「J」縛りになってしまうので、不自然にならないようにするのは大変そうだ。
なにわ男子の自己紹介ラップ曲「Seven Stars」も、高橋恭平についてのパートで「ジャニーズ1のナルシスト」という歌詞があり、これもそのままというわけにはいかなくなるだろう。これら以外にも、多数の楽曲が歌詞の変更や封印といった対応を迫られる可能性がある。
歌詞の変更で済めばいいほうで、封印が確定的になった曲もある。KinKi Kidsが2020年6月にリリースした42枚目のシングル「KANZAI BOYA」は、かつてジャニー氏が名付けた仮グループ名をタイトルにしたもので、前年に他界したジャニー氏に捧げた曲として知られる。堂本剛による作詞・作曲で、「Youたちにこの名前あげるよ」「もう最悪だよ」などとジャニー氏の語り口調がそのまま歌詞になっており、音楽番組で歌った際は堂本光一がジャニー氏に扮して物まねを披露しながらパフォーマンスした。ジャニーズという歌詞が出てくるわけではないが、被害者たちの心情を考えると封印せざるを得ないだろう。
さらに、堂本剛がA.B.C-Zに書き下ろした楽曲「You…」についても、ジャニー氏を想って書かれた歌詞になっていることから封印の可能性が高いと指摘されている。また、同曲のKinKi Kidsバージョンともいえる「You…~ThanKs 2YOU~」も、同じくジャニー氏への思いが詰まった楽曲なので“幻の曲”となりそうだ。
創業から60年以上続き、老若男女に浸透していた「ジャニーズ」という名称。楽曲問題をはじめ、その看板を下ろすことによる影響は計り知れないものがありそうだ。