香川は市川中車として松竹を通しコメントを発表。「長く険しく、それでも『夢』に邁進した歌舞伎俳優人生でした。一生涯をかけて、新たな道を切り開き、如何なる時も、天翔ける心を持って、成し遂げた俳優だったと思います」と悼んだ。

 一方で、猿翁さんに代わって一門の澤瀉屋(おもだかや)を率いていた猿之助被告は、10月20日に初公判を控えていることもあってか、コメントを出さなかった。

「猿之助被告の痛ましい事件の後に報じられた猿翁さんの訃報。澤瀉屋にとって2023年は最悪の年になってしまった。猿之助さんのイズムを受け継いでいるのは市川右團次。当初、後継者とみられていたが、いつの間にか澤瀉屋と距離を置いてしまい、猿之助被告が一門を率いることに。もし、右團次が後継者だったら、と複雑な胸中の澤瀉屋関係者は多いはず」(演劇担当記者)

 猿翁さんの葬儀・告別式は親族で執り行うというが、かなりの厳戒態勢の中で行われることになりそうだという。