貧困層のお気に入りはエンターテインメント分野

しかしいくら失敗は成功のもとといっても、失敗すればお金がかかる。事業や投資で失敗すれば、損失ゼロというわけにはいかないだろう。セルフメイド・ミリオネアは失敗から学ぶための費用を抑えるために、他人の自伝から学んでいるのかもしれない。究極の低コスト学習だ。

これらの富裕層が愛読しているのは、ほかの成功者の自伝だけではない。94%は新聞やブログなどで最新のニュースに毎日目を通し、85%は1カ月に2冊以上、教育・キャリア・自己啓発関連の本を読んでいる。

対照的に貧困層の79%がエンターテインメント関連の本を愛読しており、ニュースに関心があるのは11%、教育・キャリア・自己啓発関連は15%だ(ビジネスインサイダー2014年6月17日付記事) 。

読書によって自らを指導者に成長させる

コリー氏は研究の結果、「毎日の習慣が経済的成功につながる」 という結論に達した。富裕層特有の習慣のひとつに、読書が含まれる。ただし富裕層は単に何かを読むだけではなく、そこから何かを学びとろうとする。ほかの成功者の自伝や自己啓発関連の本を好むのは、自らを教育するためだ。

そして読書を通して自らを教育することで、メンターシップ(指導)の技術を自然と習得している。なにかを学ぶ時、専門家による指導やアドバイスが必要となるが、富裕層にとってのメンター(指導者)とは自らの資産を左右する重要な役割を指す。

コリー氏の調査では、そうしたメンターを利用している富裕層は24%しかおらず、過半数は自らがメンターの役割を果たしていることが明らかになっている。

また、「読書」と同じくらい重要なメンターは、「親」「先生」「職場仲間」「人生経験」だという。

バフェット氏、ゲイツ氏など趣味が読書のビリオネア

読書が趣味と公言している資産10億ドル以上のビリオネアも多い。

フォーブスの世界長者番付の常連、純資産844億ドル(フォーブス2018年4月25日データ) のウォーレン・バフェット氏は、毎日5~6時間読書に費やすほどの愛読家として有名だ。また500ページにもおよぶ財務諸表にも目を通すことを、ほかの投資家にも薦めている。

純資産906億ドルのビル・ゲイツ氏も、年間50冊の本を読む。そのほとんどが公衆衛生や病気、エンジニアリング、科学、ビジネスに関する内容だという。

マーク・キューバン氏は毎日3時間の読書を通して、自分の専門分野の知識をみがいている。起業初期にはこの習慣が非常に役立ったそうだ。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online

【こちらの記事もおすすめ】
1万円から始められる投資があるって、知っていますか?
あなたの資産運用リスク許容度がわかる10のチェックリスト
買い物ついでにプチ資産運用 「おつり投資」「ポイント投資」って?
寄付だけじゃない!クラウドファンディング2つの「新しい形」
何から始めたらいい?投資のはじめの第一歩