奈良市の奈良公園では、例年10月下旬から12月上旬頃まで、美しい紅葉が楽しめます。面積が600ヘクタール以上もある広大な園内で、紅葉が楽しめる場所はどこなのでしょうか。長年奈良に住んでいる筆者が、定番スポットから穴場までご紹介します。

吉城川周辺

吉城川の紅葉

奈良の大仏で有名な、東大寺の南東を流れる吉城川(よしきがわ)は、奈良公園随一の紅葉スポットです。川の両側に多数のモミジが植えられており、秋になると真っ赤に色付く様子は見事です。

川の水量は少なく、どちらかと言えば谷のようです。市街地から近い場所で、渓谷のような風情ある景観が楽しめます。時折、鹿が川に下りて水を飲む姿も見られ、癒されるものです。

こちらは、紅葉の最盛期には、休日、平日を問わず、多くの人が訪れます。気に入った場所でじっくりと見たり、写真を撮ったりするのは、難しいかもしれません。しかし、とても見ごたえがあるので、是非立ち寄ってみてください。

この吉城川の南側でも、ちょっとした紅葉が楽しめます。奈良春日野国際フォーラム甍(いらか)の建物前にある庭園です。広くはありませんが、池の周囲や築山に植えられたモミジが鮮やかに紅葉し、意外と楽しめるものです。ベンチもあるので、お茶を飲んだりしながら鑑賞してみてください。

春日野園地

三社託宣池の紅葉

春日野(かすがの)園地は、奈良公園で最も面積が大きい広場です。こちらでは、モミジやナンキンハゼ、イチョウの紅葉が楽しめます。特にイチョウの紅葉は、黄色い葉が青空に映え、美しいです。周囲には、若草山や東大寺大仏殿が見られ、奈良らしい景観が楽しめます。

広場の西側の三社託宣池(さんしゃたくせんいけ)でも、紅葉が楽しめます。池の周囲のモミジなどが赤く色付き、水面に映る様子も美しいです。

この池から東側を見ると、芝生広場の奥に若草山を望む景色が広がります。奈良公園の広さが感じられ、とても気持ちが良いものです。屋根のある休憩所もあるので、散策途中に少し休むのにも良いでしょう。

荒池園地

荒池園地の紅葉

荒池(あらいけ)園地は、名前の通り「荒池」と呼ばれる大きな池がある広場です。明治時代に築造されたという池の周囲では、美しい紅葉が楽しめます。

こちらで見られる紅葉は、ナンキンハゼやモミジ、桜などです。静かで観光客もあまりいないため、ゆっくりと見ることができます。芝生広場にはベンチもあるので、散策途中に休憩したりする人の姿が見られます。

池の一番南側の様子です。すごく見ごたえがあるわけではありませんが、水辺に色付く紅葉は、風情があります。また、人が少ないので写真も撮影しやすいのが良いですね。荒池園地へは、明治42年に誕生した歴史ある宿泊施設「奈良ホテル」からも近いです。