浮見堂
浮見堂(うきみどう)のある鷺池(さぎいけ)付近でも、紅葉が楽しめます。六角形のお堂が池に浮かぶ様子は、奈良公園の代表的な景観の一つ。その周辺で見られる紅葉は格別です。
池の南側からは、紅葉と浮見堂が絶妙なバランスで見られるので、こちらで鑑賞したり、写真を撮る人が多いです。しかし、浮見堂にかかる橋の東側にもモミジが植えられているので、美しい紅葉を楽しむことができます。
浮見堂周辺の紅葉の見頃は、例年11月上旬から12月上旬頃となりそうです。その年の気候にもよりますが、一番美しいのは、11月中旬以降になるでしょう。貸しボートもありますので、ボートから紅葉を優雅に鑑賞するのも良いでしょう。
猿沢池
興福寺五重塔や南円堂といった建築物が望める猿沢池(さるさわいけ)は、古都奈良を代表する景観の一つです。この池の周囲でも、紅葉が楽しめます。
池の北側や三条通り沿いでは、鮮やかなモミジの紅葉が見られます。紅葉する樹木の本数は少なめですが、最寄りの近鉄奈良駅から、徒歩で10分もかからない便利さが魅力です。多くの人が訪れ、写真を撮ったり休憩したりと、思い思いに過ごしています。
興福寺付近では、少しですがイチョウの紅葉も楽しめます。周囲まで明るくなるような黄色い葉が、晴れた日には特に美しく感じるでしょう。
周辺には、東向(ひがしむき)商店街や三条通りといった、飲食店や土産物店が立ち並ぶ通りがあります。飲食や買い物を楽しんだ後に、気軽に立ち寄ってみてください。コーヒーチェーンもいくつかありますよ。
なお、興福寺五重塔は、明治時代以来の大規模な保存修理工事を、令和13年3月までの予定で行っています。今後工事が進むと、しばらくの間、五重塔の姿を見ることができなくなりますので、ご了承ください。
依水園
日本庭園の依水園(いすいえん)でも、紅葉が楽しめます。江戸時代に造られた前園、明治時代の後園からなる大きな庭園で見られる紅葉は、とても素晴らしいものです。
大きな池のある池泉回遊式の後園では、池沿いの道を歩きながら、イロハモミジ、ドウダンツツジなどの紅葉が楽しめます。ドウダンツツジは、モミジと比べると葉は小さいですが、とても鮮やかな色で美しいです。
庭園内には、風情ある茶室や水車、小川もあり、散策すると心が落ち着くものです。あいにく紅葉の最盛期でなかったとしても、手入れの行き届いた庭園を鑑賞すると、満足できるのではないでしょうか。
こちらは、有料の施設となるため、紅葉の時季でも極端に混雑することはありません。ゆっくりと鑑賞したいという方には良いでしょう。
入園料は、一般1,200円、大学生・高校生500円、中学生・小学生300円で、東洋の美術品を展示している寧楽(ねいらく)美術館の入館料を含んでいます。
紅葉の見頃は、例年11月中旬から11月下旬頃です。すぐそばには、吉城園(よしきえん)という日本庭園もあり、こちらでも同じ頃に紅葉が楽しめます。