今回の那須川の相手となるのは、現役メキシコ国内王者のルイス・グスマンという選手。階級こそ現在の那須川の1つ下となるバンタム級だが、プロボクシングでの実績は十分。プロ2戦目の那須川にとっては、ハードなマッチメイクといえるだろう。

 デビュー戦では日本国内ランカーを完全に翻弄して勝ち切った那須川だが、スピード差のある相手をノックアウトできなかったことでファンの間でも評価が分かれることになり、特にパンチ力を疑問視する声も少なくない。

 では実際に、プロボクシング業界内での那須川の評価はどんなものなのだろうか。

「実は、デビューするまで那須川のキックの試合を見たことがなかった関係者も少なくないんですよ。ボクシング業界はある意味閉鎖的で、ボクシング以外に興味がない人が多い。そうした“初見”の関係者のデビュー戦の評価はといえば、『驚がくした』という声がほとんどでしたね。『こんなにすごいのか』と。体のスピードはもちろんですが、バランス、ステップ、見切り、当て勘といった要素で『異次元』と評する声もありました」(同)