あのは2021年にTBS系『水曜日のダウンタウン』の遠隔操作ドッキリの仕掛け人として同局系『ラヴィット!』に出演し、大喜利クイズで芸人らが考えたクセが強い回答を淡々とこなす姿が大ウケしたことで、知名度が急激に上昇。だが、舌足らずな独特の話し方や自身を「ボク」と呼ぶ個性派ぶりは賛否あり、一部に熱烈に支持されると同時にアンチも発生するなど、好き嫌いが大きく分かれていた。

 しかし、ある程度露出が増えてからもキャラクターを貫き通したことで徐々に世間に浸透。さらに、ano名義で昨年11月にリリースした配信シングル「ちゅ、多様性。」がTikTokでバズり、急上昇中アーティストをランキング化するビルボードジャパンの「Heatseekers Songs」で2023年上半期1位となる大ヒットとなるなど、若者層からの人気を決定的なものにした。

 それでも若者限定の人気という印象はあったが、バラエティでの露出が増加するにつれて幅広い世代で支持が上昇。広告業界が彼女に目をつけてCM契約が急増し、人気者の証ともいえるauの三太郎シリーズに「あまのじゃ子」として出演を果たした。ライフカード、ブルボン、日本マクドナルドの広告にも起用され、昨年下半期の0社から今年上半期に出演CMを一気に4社まで増やした。現在はBOOKOFFの新CMキャラクターにも就任しており、さらに広告人気が高まっていきそうだ。

 あのの人気の背景には、ぶっ飛んだ言動と個性的なキャラクターがあるが、その一方で「意外にもまじめでバランス感覚が優れている」という点も指摘されている。

 7月15日に放送されたTBS系音楽特番『音楽の日』では、あのが「ちゅ、多様性。」を歌いながらスタジオを移動し、SixTONES、なにわ男子、中居正広、安住紳一郎アナらと絡むという演出があった。歌唱前、安住アナから「みんなで歌って踊ってもらいます」と振られると、あのは「あっ、別に一人でいいです」などとそっけなく返答した。