俳優の黒沢年雄も、11日付のブログで「光ゲンジが人気が出始めたころ、彼等の主演ドラマの先生役で出演させて頂いた。彼等と毎日のように接するので驚くような話題が耳に入ってくるので、とても興味があり彼等から次々と聞きだした。実際に見た訳ではないので無闇には話せないが……」と性加害にまつわる情報を耳にしていたことをにおわせるなど、長く芸能生活を送っていたベテランたちの認識は「みんな当たり前に知っていた」というものが目立つ。
また、嵐と共演するなどジャニーズと縁が深いキャスターの小倉智昭は、“ジャニーズ忖度”の実態を告白。11日に出演した文化放送のラジオ番組では「ジャニーさんとはお話をしたり、食事もしたりしたことがあって、芸能界に対する思いも強かったし、少年たちに対する愛もかなり感じてはいました」とジャニー氏の人柄を振り返りつつ、「ジャニーズ事務所がどんどん力をつけてきて、われわれもその中に巻き込まれていった。番組にジャニーズが出る場合は、他の韓国のタレントは出ないとかね。ジャニーズが頭と最後をやって、韓国のアーティストは生じゃなくてVTRとかさ。そういうことがずっと起こってたから、忖度っていうより、常識みたいになってたんだよ」と、具体的にジャニーズタレントに対してどのような“配慮”をしていたかを説明した。
さらに「僕なんかはさ、嵐と一緒にレギュラーで仕事をしてたわけじゃないですか。そういう時に、もしも(ジャニーズに)反旗を翻したら、おそらくクビになってるよね、番組を。本当にね、そういう世界なのよ。それに対してクレームをつけないのは、だらしないとは思うんだけど、もう“巻き込まれちゃってる”と、“ズブズブになってる”っていう感覚あるんだよな。だからみんながそうなんだよ、ジャニーズに関しては」と、性加害問題の表面化を妨げたとされるジャニーズの「メディア支配」について実感を込めて語っていた。
性加害問題をめぐっては、東山紀之新社長をはじめとしたジャニーズ事務所上層部やジャニーズを長年取材してきた芸能リポーターなどが口をそろえたかのように「噂レベルでしか聞いたことがなかった」との認識を示している。だが、外部のタレントですら昔から当然のように性加害の話を知っていたとなれば、ジャニー氏に近しい場所にいた事務所上層部らが「ただの噂だと思っていた」と釈明していることには疑問の余地があるようにも思える。こうなると、いつもジャニーズの問題に関しては積極的に持論を述べていた明石家さんまなどがどう反応するかも気になるところだ。
いずれにしても、大御所たちの証言はいかに“ジャニーズ忖度”が業界に根強くはびこっていたのかを物語っているといえそうだ。ジャニーズ事務所だけでなく、「知っていたのに黙っていた」芸能界全体で、ここで溜まっていた膿をすべて出しきらなければ、事務所の抜本的な改革にはいたらないだろう。