同番組をめぐっては、ジャニーズ事務所の7日の会見にて記者が「過去にはジャニーズと競合関係にあったDA PUMP、w-inds.らが圧力や忖度によって『Mステ』に出演できず、現在もBE:FIRST、Da-iCE、JO1、INIらが出演できていない」などと指摘し、新社長に就任した東山紀之に「こうした忖度はまだ続いたほうがいいと考えますか?」と問いかけた。これに対し、東山新社長は「必要ないと思います。忖度とかそういうのは関係なく、公平に行くべきだなと思っています」と明言した。

 BE:FIRSTの出演が調整されているという報道は、この“新社長のお墨付き”を得て番組制作側が動いた結果ではないかとみられる。

 『ミュージックステーション』とジャニーズの蜜月関係は、1980年代末の番組初期にまでさかのぼる。1986年の番組立ち上げ当初から携わってきたエグゼクティブプロデューサーの山本たかお氏が2007年の講演で語ったところによると、番組のスタート当初は苦戦しており、かつてTBS系の音楽番組『ザ・ベストテン』がキャンディーズの解散を追う企画を毎週放送して視聴率をアップさせたという逸話にヒントを得、1987年にデビューするとあっという間に爆発的人気を呼んだ光GENJIを毎週出すというテコ入れ案を実施。これが見事当たった。光GENJIのレギュラー出演は1992年には終わったが、「われわれはそのことをいまだに恩義に感じている」と山本氏は明言しており、実際にジャニーズ事務所と「とても親密な関係」を築いた同番組は「毎週ジャニーズが出演する」を番組の特色に位置付け、その後も毎週必ずと言っていいほど最低1組はジャニーズ系グループが出演するという慣例が現在まで続いている。

 同氏はw-inds.らが出演していないことについて、「ジャニーズからの圧力があるわけではない」としながらも、「みんなを公平に出したいと思っている中でなかなかそうはいかない」「『ミュージックステーション』はジャニーズがレギュラーの番組ということも紛れもない事実。なので彼らが出ている以上、歌って踊れる人たちがほかにも必要かというとそうではないし、だったらバンドにしようという傾向もある」と説明していた。