寿命が長期化し、年金不安が蔓延する今、老後資金を自分で備えることが求められています。
しかし貯蓄の方法は数多く存在しており、どう備えればよいか迷ってしまう人は少なくないでしょう。
老後資金を準備する方法として、代表的なものが「つみたてNISA」と「貯蓄型保険」です。どちらのほうがお得に備えられるのでしょうか。
簡単に両者を比較してみましょう。
つみたてNISAの平均利回りは4%
金融庁が公表する「国内運用会社の運用パフォーマンスを示す代表的な指標(KPI)の測定と国内公募投信についての諸論点に関する分析(2023年4月)」によれば、つみたてNISA対象銘柄の5年平均利回りは年率4.0%でした。
【5年平均利回り(2022年末時点)】
・つみたてNISA(42本):4.0%
・全体(3,977本):3.1%
※運用期間5年以上の銘柄
※出典:金融庁 「国内運用会社の運用パフォーマンスを示す代表的な指標(KPI)の測定と国内公募投信についての諸論点に関する分析」の公表について
全体が3.1%だったことを考えれば、つみたてNISA対象銘柄は優秀なファンドが多いといえそうです(いずれも2022年末時点、運用期間5年以上の銘柄)。
貯蓄型保険は0.1%と低利回り…でも節税できる!
貯蓄型保険の場合はどうでしょうか。日本生命の「ニッセイみらいのカタチ(年金保険)」の場合、ウェブサイトの数値から計算した利回りは約0.12%となりました。
利回りは商品や契約内容によって異なるものの、国内の金利水準を考慮すれば、貯蓄型保険の多くは同じような利回りになるでしょう。
【日本生命「ニッセイみらいのカタチ(年金保険)」の利回り(女性、契約年齢25歳)】
・月払保険料:1万9,550円
・累計保険料:約938万円
・受取額(65歳時一括受取):約983万円
・返戻率:約104.8%
・1年あたり利回り:約0.12%
※2023年5月8日時点
※払込満了65歳 、年金開始65歳、保険期間75歳まで、月払・口座振替扱 の場合
※実際の条件は契約ごとに異なる
※出典:日本生命 ニッセイみらいのカタチ公式ウェブサイト
ただし、保険の場合は節税効果も見逃せません。貯蓄型保険に支払った保険料は、一般に生命保険料控除のうち「個人年金保険料控除」の対象となるためです。
個人年金保険料控除の控除額(所得控除)は、年に8万円を超えて保険料を支払う場合、所得税で一律4万円、住民税で一律2万8,000円、計6万8,000円となります(2012年以降の契約)。所得税と住民税の税率を10%と仮定すれば、税金を毎年6,800円分減らせる計算です。