──たしかに! ちなみにライブというファーストテイクで結果を出せる歌や声にはどのような特徴があるんでしょうか?

純子:一番重要なのは1音目ですね。1秒イントロが流れるだけで歓声があがる曲があるように、1音目のインパクトってかなり大きいものです。その1音目がしっかり出せてるか出せてないかで、レッスンを受けているか否かの判断材料になります。なので指導するうえで、バラードでも湧き曲でも1音目はかなり重視してますね。ここからは企業秘密なので詳しくはレッスンを受けてもらえればと(笑)

 それに、基本的にアイドルはライブより特典会の方が時間も長いので、特典会で会いに来てもらうためにも、30分もしくは15分といった短い時間でインパクトを残さなきゃいけない。そのための歌い方というのがあるので、教え子たちにはインパクトを与えるための歌唱指導をしてます。

──指導による歌の変化って、ファンの人たちは気付いてくれるものですか?

純子:音をよく聴いてるファンは歌の細かい変化にも気づいてくれますし、特に私の教え子たちのファンには敏感な人が多いですね。そういうファンの方々がツイートで評論してくれることで、アイドルの名前を広げてくれるんで、ありがたい限りです。

 あとこれはファンの話ではないのですが、過去歌唱指導をしていた2人組アイドルがTIF関連の配信に出演した時に、とあるユーザーが「2人だけのアイドルがTIFに行けるわけがない」と批判的なコメントを最初はしていたんですよ。でも終盤になると「今の曲すごく良い」「このグループ歌上手い」みたいに、評価が180度変わったコメントをするようになって「ざまあww」って思いました。歌唱指導は私にとって復讐であり、楽しみであり、自分の反骨精神の現れです。なので歌唱によってアイドルたちの評価が変わる時は最高に嬉しいですね。