・知らないって最強
25歳以下という年齢制限があるゆえ、客も審査員も、ほかの賞レースに比べて圧倒的に出場者のことを「知らない」。知らないことを楽しめるというのは、コンテンツ供給過多のエンタメ界においてとてもリッチな経験だと思う。この大会のキャッチフレーズのとおり「知らないって最強」なのだ。
いちばん顕著だったのは、舞台上の2人が面白いやりとりをしていると、後から3人目が出てくるという「トリオだったんかい」パターンだ。こちとらその芸人さんが何人組か知らないから、不意を突かれてめちゃくちゃ笑ってしまう。
・“参考にするモノ”の新しさ
創作活動のほとんどは「真似」から入るし、お笑いの場合も先輩たちの漫才やコントを参考にしてネタを作るのが基本だと思う。『UNDER25』出場者は、その参考にするモノがかなり新しいと思った。売れっ子芸人のネタを参考にしている人たちもいたが、例えば「TikTok」を見ているかのようなリズム感で進む音ネタや、YouTubeの「カット編集」のようなテンポで会話が成立していく漫才、スクリーンに投影した映像と自分の動きをリンクさせた「プロジェクションマッピング」のような手法を取り入れる1人コントなど、従来の“型”にとらわれない豊かな発想をたくさん見ることができた。
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