もちろん例外もいると思うが、今の若手芸人がなぜ昔ほど極貧生活を過ごしていないかというと、若手芸人自体の年齢層が上がっているので、今テレビで活躍している芸人たちと同期や仲間であることが多く、そういったある程度稼いでいる芸人とシェアする形で生活をしているので極貧では無かったり、年齢層が上がっているのでアルバイトや芸人以外の副職でそれなりの地位に就いている場合があり、きちんと生活出来ているというパターンもある。なのでほとんどテレビに出ていない芸人でも結婚して奥さんと子供をちゃんと養っているという話も少なくない。

 そしてもうひとつ若手芸人が売れていなくても生活することが出来る方法に先輩がやっているお店で働くという手段があるのだ。極楽とんぼの加藤さんがやっているジンギスカンのお店や、ミスター都市伝説、関暁夫さんのカフェ、「進め!電波少年」(日本テレビ系)で南北アメリカ大陸を縦断した元ドロンズの石本さんが経営している馬肉店、キングオブコント2013王者、かもめんたるの槙尾さんがやっているスパイスカレー専門店など、メジャーな芸人さんだけではなく今はテレビで見ることが少なくなった芸人さんも意外と飲食店を経営していることが多く、数え上げたらきりがないほど存在しているのだ。

 そういったお店の従業員は往々にして後輩芸人であることが多く、先輩としてお金を直接渡すのではなく従業員として雇い、お給料という形で生活を支えてくれているのだ。これは単純に先輩の施しという意味だけでそうしているわけではなく、雇う側も雇われる側もメリットがあるのだ。雇う側からすればある程度素性を知っている人物で信頼性があり、そして芸人界の後輩であるということで、普通の従業員なら言いづらい事でも、気兼ねなく言える。雇われる側からすれば経営者が芸人ということで、オーディションやライブ、営業が突然入ったときに、スケジュールの融通が多大に利くというメリットがある。まさにwinwinなのだ。

 そんなお店の経営を芸人個人ではなく、なんと芸能事務所が行う事が発表されたのだ。東京渋谷にある「渋谷肉横丁」とカンニング竹山さんや小島よしおさんが所属する「サンミュージック」がコラボし、28日「居酒屋サンミュージック」がスタートした。なんとサンミュージックは創業以来55年で初めての飲食業らしいのだ。