『真夏のシンデレラ』はベタな展開のラブストーリーで、わざと昭和や平成時代のドラマのギミックを取り入れている。そのバカバカしさと、単純明快でわかりやすいストーリーが当初は話題を集めていた。ただ、現在のドラマの本流とは外れすぎて、最近では低視聴率しかニュースにならなくなっている。
「『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)も、『真夏のシンデレラ』と同じく視聴率が伸び悩みながら見逃し配信で人気が高い。ただ、『最高の教師』はいま流行りの伏線回収するストーリー展開で、謎解き要素もある。考察もSNSで盛んに行われ、TVerのお気に入り登録は『真夏のシンデレラ』を抜き去って127万人をこえている。話題性も高く、今期の夏ドラマで高い評価を得ている。『真夏のシンデレラ』は、結局は中身がないので出落ちのような状態になり、各出演者が黒歴史にすること間違い無しのドラマになった」(スポーツ紙記者)
最終回を前になんともさびしい雰囲気となった『真夏のシンデレラ』の大失敗は、フジテレビの今後の方針転換にも大きく関わってくるだろうと系列局スタッフが明かしてくれた。
「フジテレビでは、港浩一社長と大多亮専務を中心に平成に回帰するような編成を行っていた。かつてのフジ黄金期を作っていた2人が、局が勢いのあった昭和や平成に回帰するような新番組を立ち上げていて、『真夏のシンデレラ』もその一つでした。他には、打ち切りが囁かれ続けるお昼の帯番組『ぽかぽか』は、かつての『笑っていいとも!』を思わせる作りですし、深夜番組の『オールナイトフジコ』は『オールナイトフジ』のリバイバル。どれもが低視聴率で失敗と他局から言われている中で、悲惨な『バブル路線』と揶揄して眉をひそめている若い社員や系列局員もいるほどです」