◆90年代、女性たちが自分のお給料で高価な買い物ができた理由

 カシオのペラはなくならないばかりでなく、電池寿命も長く、10年近く使えました。そしてそれ以降は裏ぶたが肌につかないバングルタイプを選ぶようにして、相変わらず手軽な価格の時計を選んでいます。

タイムウィルテルの時計
アメリカ発祥のブランド『タイムウィルテル』の時計
 このタイムウィルテルの時計は2代目のもの。シリコンゴムでパーツがつながれていて、着脱が簡単なこと、日常的に気兼ねなく使えること、デザインの種類が豊富なので好きな色やパターンを選べることが魅力です。

タイムウィルテルの時計
 さて、90年代、女性たちが自分のお給料で高価な買い物ができたのはなぜなのでしょうか。

 私が考えるに、それは彼女たちが素晴らしい未来を信じていたから。その未来とは、ジェンダー平等が進み、男女差別は解消し、女性がより生きやすい日本になるという未来です。残念ながら、私たちが夢見ていたあの未来は、今現在、私たちの生きる世界線ではない様子。

 きっとあのころの延長線上の未来は並行宇宙のどこかに存在しているでしょう。腕時計を見ながら、そんな夢見た並行宇宙にアクセスしてみるのも楽しいのではないでしょうか。

タイムウィルテルの時計
◆腕時計(筆者私物):Time Will Tell CANDY NAVY 15,400円(税込)

<文/小林直子>

【小林直子】

ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。著書『わたし史上最高のおしゃれになる!』など。