◆ロンドンで男の子に時間を聞かれてわかったのは
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そんな疑問を持ったことすら忘れたころ、美術館と博物館をめぐるためロンドンへ旅しました。もちろん持っていく腕時計はカシオのペラです。
それは大英博物館を見学していたときのことでした。小学生ぐらいの男子がにこにこ笑いながら近づいてきて、私に向かって英語で「今、何時か教えてください!」尋ねたのです。日本でも海外でも、なぜか知らない人から道を聞かれますが、このとき聞かれたのは時間です。
イギリス人だってたくさんいるし、博物館のどこかに時計はあるはずだし、しかもこんな安くて目立たない時計をしているのに、わざわざ私に時間を聞くなんて一体どういうこと!
そのときわかりました。安い時計をしていようが、高い時計をしていようが、時間の価値に変わりはなく、他人から見れば、それは人為的に刻まれる時の経過の確認手段を保持している人か否かの差にすぎず、時間に関する情報は同じで差異はなし。
もちろんそれ以上の情報を時計の値段から読み取りたい人もいるだろうけれども、だからといって、その情報がすべての人に有用だとは限らない。