シリーズ再開に時間がかかったのは単に予算の問題なんだそうだが、予告編を見る限りは総決算の赴きを感じるので、新たな世界観の構築のために時間が必要だったのかも。

 Jホラーのブームを切り開いた中田秀夫(『リング』『女優霊』)、清水崇(呪怨』『犬鳴村』)以降、なかなかこのジャンルの監督の名前が際立たない中で、白石晃士は自分が作った世界をひたすら拡大化させ、そして他のホラー系作品にはない、キャラクター人気を定着させた。

 コワすぎ! をはじめ白石作品に様々な形で登場する呪術師、霊能力者はどれもこれも強烈なインパクトを誇っている。劇中で工藤らを脅威の渦に叩き込む異常な人々たちも、どれもこれもキャラが立ちすぎ。白石作品は「ちょっと変わった人」の描き方が尋常ではなく、視聴者の心をざわつかせる。

 国民的アニメ『名探偵コナン』の劇場版が当初は本格的ミステリータッチを売りにしていたが、興行収入で年間トップ3クラスに入るようになった時、一番のセールスポイントは「人気キャラクター」の登場だった。「どのキャラが今度の劇場版に出てくるか?」が人気のバロメーターになったことで興行成績が右肩上がりになった。