真剣に人生について考える時間を持つ

くすい: あはは。でも、その散財時代から支出を減らしていくのって結構大変だと思うんですけど、秋山さんはどのタイミングで方向転換したんですか?

秋山: 30代後半の頃、当時付き合っていた彼女と結婚したいと思ったんですけど、全然貯金がなくて、このままだと結婚できないかもしれないって思ったんです。そこでライフプランニングというものを初めてやってみて、そこから節約を開始することになりました。数千冊あった漫画も洋服も、あとは昔バンドやっていたので楽器も、とにかくどうやったら一番高く売れるかを考えてお金に変えていきました。それ自体もすごいストレスでしたけど、彼女にバレないようにやるのがまた大変で(笑)。彼女の前ではケチになれないじゃないですか。

くすい: (笑)。それは辛いですね。

秋山: でも、そういう気づきがなかったら多分結婚もしなかったし、人生変わらなかったなと思うと、努力してよかったなと思います。
 

(写真=森口新太郎撮影)

横山: 人生を振り返った時、秋山さんみたいに「無駄だったお金があったな」って気付くことができれば、それはそれでひとつの経験ですよね。普段に会話をしていても、この人深いなと思う人は、昔ちょっとした失敗をしていたりしますから。逆に失敗を失敗だと思わない状態で過ごしちゃって、そのまま年をとっていってしまった人は残念ですよね。

秋山: そうですね。例えば、せっかく稼いだ給料を使い切ったとするじゃないですか。若いうちは投資になった部分も結構あったけど、ずっと若いときのままの感覚で30代後半に突入すると、同じお金の使い方をしていても浪費に変わることがあるんですよ。だから、どこかのタイミングで自分の人生を考える時間を持った方がいいんじゃないかと思います。

宝くじで2億円当たった友人の話

くすい: 秋山さんには、20代の若い頃に宝くじを当てたご友人がいると聞きました。ぜひその方のお話も聞かせてください。

秋山: はい。22、23歳ぐらいの時、大学のバンド仲間が宝くじで2億円当たったことがあったんです。びっくりしたのが、いきなりロレックスの時計をするようになって、彼女にもヴィトンとか買って、車はBMWのオープンカーになって。

横山: わかりやすい(笑)。お前どうしたんだ!?っていう。

くすい: ご友人はお仕事を辞めたんですか?

秋山: 辞めずに働いていましたよ。職場の人には宝くじのことは言ってないんじゃないですかね。彼は半年で5000万円使ったと言っていました。使えるものなんですよね。でも、その中で実家のローンを返してあげたりもしていたみたいです。

くすい: それは偉いですね。その後、その方の人生はどうなりましたか?

秋山: 当時付き合っていた彼女と結婚して、家を買って、子供を3人育てています。今はもうそのお金はほとんどないと言っていましたけど、幸せに暮らしていますよ。