『科捜研の女』なぜ科捜研が検視するのか?

 なお、現実の科捜研は事件解決のために鑑定を行う組織で、要請を受けて臨場に行く際には、鑑識と同じ制服に着替えるのだという。殺人現場に白衣姿でフラっと現れるマリコの姿は、完全なフィクションといえる。

 ただ、そんな同シリーズの「なんでもあり」のスタンスについては、前回の冒頭でしっかり提示されていたようだ。

「第1話の序盤、当然のような顔で遺体の検視をするマリコたちに、阿久津誠也刑事(徳重聡)が『なんで科捜研が検視なんかする?』と投げかけるシーンがあったんです。これに対し、マリコに同行していた亜美は『(検視を)するんですよ! うちの法医研究員は』と言い放ち、阿久津を黙らせていました」(同)

 少々“力技”にも思えるが、第1話で科捜研も独自判断で検視を「する」と言い切った同作。こうしたエンタメに振り切った作風こそ、ファンに愛されているのかもしれない。