学内改革の救世主として起用された林真理子理事長も、メディア対応には慣れているはずなのに、一度は『薬物は見つかっていない』と否定してしまった。さらに会見でも明らかに不機嫌な態度を見せてしまい、これも反感を買った。騒動を終わらせるどころか、どんどんと“燃料”を投下している状態です」(フリーのジャーナリスト)

 ただ、大学の運動部の不祥事などハッキリ言って珍しくない。ほぼ同時期には、東京農大のボクシングの部員が薬物で逮捕され、こちらはこれまで3人の逮捕者が出ている。なぜ日大は目の敵にされるのか?

「事件の大きさで言えば、農大の方がはるかに深刻です。逮捕されたボクシング部員が持っていた違法薬物はかなりの量で、使用目的ではなく、販売目的で所持していた可能性が高い。使用目的と販売目的では罪の重さが全く違い、前者は初犯ならほぼ執行猶予がつきますが、後者は一発で実刑もあり得ます。

 それでも日大が叩かれる最大の理由は、タックル事件の記憶があるからですが、大学の知名度の差は大きいでしょう。日大は日本最大の大学で、全国にキャンパスが散らばっていて、付属校まで含めれば全国津々浦々に関係者がいます。当然、より多くの人が興味を抱く可能性が高いわけで、これをメディアが重視するのは当たり前です」(同上)