◆2人のブレない俳優像
広海と海都がたどり着いたのは、海辺の民宿「ダイヤモンドヘッド」。
お金がない広海はアルバイトを申し出、海に財布を落とした海都はひとまず逗留生活を送る。祖父・勝(マイク眞木)と切り盛りする真琴(広末涼子)がふたりを迎え入れる。高校生役の広末涼子がなんともみずみずしく涼やかだ。
竹野内豊ファンの筆者からすると、本作からちょうど4年後に月9枠で放送される『できちゃった結婚』(フジテレビ系、2001年)で広末と竹野内が演じたできちゃった婚カップルへ“豊か”に想像が広がる。
竹野内の軽妙キャラ炸裂の同作だったが、メランコリックな海都役にしろ、この人はほんと自然体な演技を独自に貫いている。
一方の反町が体現する圧倒的な夏男感は、今では例えば「相棒」シリーズ(テレビ朝日系)に代表されるように、鋼のようなたくましいキャラへと変貌を遂げている。どちらにしろブレない俳優像を着実に形成してきた俳優人生だ。
そんな隆史&豊コンビの才覚を最大限伸ばした永遠の名作ドラマがここに復刻することを嬉しく思う。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu