井ノ原はまた、「(事務所内の意識として)“解散すると歌出せなくなる”っていうのがなんとなくあるんじゃないかなって。後輩にとってもよくないなって。50過ぎても全然歌うたっていますっていう(例を後輩に示すために)とりあえず続けてるんですけど」と、活動継続することの意義についても語っていたが、本人たちの意志を確認することなく存続を発表したというジャニーズ事務所に対し、視聴者から批判的な声が続出。「そんな大事なことをコンセンサスなしで発表するって信じられない」「リリースの文面にメンバーたちの意思はまったく反映されてないってことでしょ、怖すぎ」「この時期に『勝手に活動継続を発表された』ってブラック的なエピソード話して大丈夫?」といった意見がネット上で飛び交っている。

 当時のプレスリリースでは、V6の解散について「メンバー自身、自分たちが追求してきたエンターテイメントに納得することができたため、より一層の成長を考えたときに、次のステップに挑戦したいという気持ちが芽生えた」「6人がV6のメンバーであることを誇りに思い、一人の人間として、これからの人生に対して前向きに決断した結果でございます」といった文章がつづられていた。しかし、20th Century存続についてメンバーが関知してなかったとなると、このV6解散にあたってのプレスリリースそのものもメンバーが内容を確認していないとも考えられ、事務所への不信感を抱いた人は多いようだ。

 無論、「本人たちもトニセン続けたかったんだから結果オーライ」「これは事務所のナイス判断」「勝手に発表したおかげで今のトニセンがあると思ったら感謝しかない」といった意見も出ているが、ジャニーズ事務所のタレントは基本的に全員が個人事業主にあたり、グループを活動継続するかどうかという重要な内容を本人たちに相談なく一方的に決定して世間に発表し、既成事実化させてしまうというやり方は、企業として問題があるだろう。しかも20th Centuryの3人は20年以上にわたる事務所の「功労者」なのだ。

 そのため、一部ではジャニーズ事務所に対する疑念が深まる事態となっている。2016年末のSMAP解散や、King & Princeの脱退・退所騒動などに関しても「事務所の発表は、メンバーに確認せずに勝手に出した文面なのでは」との憶測が飛び交っているのだ。坂本、長野、井ノ原はジャニーズの中でもベテランクラスで貢献度も高く、そんな彼らですら「発表前の本人たちへの確認がなかった」と分かったことで、過去のプレスリリースに対しても疑惑の目を向ける人が続出しているようだ。

 ジャニーズ事務所は以前から、ワンマン経営者にタレントが振り回されるという「笑い話」をタレント自ら語る機会が多く、「もともとそういう事務所でしょ」という擁護の声もある。だがSMAP解散騒動以降、ジャニーズ事務所に対するファンの不信感は少しずつ積み重なっており、性加害問題などに揺れる今では、さまざまな憶測を呼んでしまうエピソードであるのも間違いなく、単なる自虐ネタとして受け止められず、「笑えない」という視聴者やファンが出てしまうのも仕方ないかもしれない。ジャニーズ事務所は今年1月1日に藤島ジュリー景子社長名義で「4つの約束」を宣言し、「タレント、支えるスタッフ、舵取りを担う経営者が、同じ目線で語り、夢を分かち合う」としていたが、今後はこうした一方的な決定も是正されていくだろうか。