一方の立浪監督は昔ながらの厳格なスタイル。昨年はふがいないプレーをした京田陽太に2軍行きを即通告し、オフにはトレードで放出。選手を名指しで批判することはありませんが、チャンスで三振した場面について『ゴロを打てば点が入るのに』とボヤいたり、相手エースに完全に抑え込まれ、『狙っていない球が来たら空振りしろ』とコメントしたり、求めるレベルが高すぎて若手は萎縮しています。6月には敗戦直後にゴミ箱を蹴り上げ、選手はドン引きしていました」(フリーのスポーツ記者)

 チームを率いるスタイルは人それぞれ。正解はひとつではないが、現状を見れば軍配が上がるのは新井監督だろう。昨今、ビジネスの世界ではあらゆるハラスメントはご法度だが、スポーツの世界でもそれは変わらない。

「かつての野村克也監督や星野仙一監督のやり方は、一般社会に当てはめれば完全に“アウト”。人前で罵倒したり、無視したり、鉄拳制裁を加えたりが当たり前でしたが、結果がすべての世界では“それもアリ”で、名監督という呼び名をほしいままにしました。ただ、現在ではもうそんなやり方は許されない。今季から阪神に復帰した岡田彰布監督も、かつてはメチャクチャに厳しい人でしたが、すっかり穏やかになりました。まぁ、チームが好調なこともあるでしょうが。

 立浪監督の場合、厳格なPL学園で育ったこともあり、常にクレバーで礼節も欠かしませんが、一瞬たりとも気を抜ける瞬間がなく、笑顔を見せることも一切許されないスタイルは、今の若手選手には受け入れられづらい。成績が良ければ手綱が緩むこともあるでしょうが、最下位の今ではそういったこともなく、ベンチの雰囲気は明らかに重苦しいです。

 並の監督であれば2年連続最下位ならクビの話しも出てきますが、立浪監督の場合、生え抜きスターが満を持して監督に就任したわけで、最低でも3年、実際にはもっと長く、立浪政権は続くはず。中日は年俸の査定も辛いですし、選手には厳しいチームですね」(同上)

 まだシーズンは半分を過ぎたあたりだが、広島がさらに躍進できるか、中日が巻き返せるか、監督というキーワードから見ても面白いかもしれない。