声優起用についても、Kis-My-Ft2の玉森裕太が2016年公開の映画『キング・オブ・エジプト』で女優の永野芽郁と共にメインキャストの吹き替えを担当し、映画ファンが大荒れになる事態が起きた。「吹き替え初挑戦にしてはうまい」という意見もあったのだが、騒動の影響なのか、同作のDVD・ブルーレイは声優としても活躍する俳優の平野潤也が玉森の役を演じたバージョンが追加収録された。
こうした経緯に加え、昨今騒がれているジャニーズ事務所創業者による未成年への性加害問題もあり、より一層“ジャニーズアレルギー”が生まれ、今回のSexy Zoneおよび中島の起用に対する拒否反応につながったのだろう。
しかし、今までとは違った風も吹いているようだ。Sexy Zoneによる今作の主題歌「Try This One More Time」は、制作段階から『トランスフォーマー/ビースト覚醒』のフィルムメーカーとメロディや歌詞についてすり合わせたといい、実際に物語の時代設定に合わせた90年代のヒップホップの曲調を採用。さらに、今回の映画は90年代に放送されたアニメ『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』の物語から影響を受けているが、Sexy Zoneによる主題歌は『ビーストウォーズ』のオープニング曲だった下町兄弟の「WAR WAR! STOP IT」をオマージュしたとみられ、歌詞に「争いはSTOP」といった共通するワードも出てくる。
そのため、実際に楽曲を聴いたシリーズファンからは「ジャニーズって聞いて不安だったけど、ビーストウォーズをリスペクトしていて違和感がまったくない」「試写会で観たらめっちゃ作品に合ってた。こんな吹き替え版主題歌なら全然ウェルカム」「日本語版主題歌はこうあるべきって見本になりそう」などと好意的な意見が増加している。中島の吹き替えについても、SNS上では試写会で作品を観賞した人たちから「思った以上に演技がうまくてよかった」「ジャニーズ詳しくないけど、主人公の吹き替えぴったりだった」などと上々の反応が寄せられている。
過去の因縁や性加害問題の影響でジャニーズ系グループというだけで色眼鏡で見られるようになってしまったが、Sexy Zoneはそうした状況を打ち破ることもできそうな気配。公開後はより多くの人が日本語吹き替え版を観賞することになるが、その評価次第で映画ファンの間にあった拒否反応が一変する可能性もありそうだ。