旭川にある上野ファームは北国でしか見られない野草、寒暖差があることで花色が鮮やかなるなど、ここでだからこそ表現できる魅力的な北海道ならではのガーデンが人気の観光スポットです。四季折々の草花を見に行ってみませんか?

上野ファームとは?

上野ファームは北国ならではの四季折々に開花する宿根草を中心に庭づくりをしている人気のガーデンです。元々は代々続く米農家でしたが、お米の個人販売を始めたことでお客様が直接農場に訪れるようになったことが大きな転機となり、見ても魅力ある農場にしたいという思いで、田んぼのあぜ道に色鮮やかなルピナスを植えたことがはじまりだそうです。

当初はイギリスの「イングリッシュガーデン」にとても憧れていたそうですが、気候の違いやその背景となる歴史・風土なども違うためうまくいかないことも多かったそうです。北海道だからこそ表現できる庭、北国でしか見られない野草、寒暖差があることで花色が鮮やかなるなど、ここでだからこそ表現できる魅力的な「北海道ガーデン」を目指しています。

オープンガーデンから徐々に庭を広げるなど改装を重ね、カフェを併設するなど拡大した現在の形になりました。北の大地の植物の特性を生かしながらイングリッシュガーデンの要素も取り入れられていて、日本とは思えないようなメルヘンな雰囲気なので、まるでおとぎの国にいるような気分になれます。

ガーデンを散策しよう!

ガーデンは幾つかの庭で構成されています。それぞれで植えられている植物も異なりますし、四季によっても異なりますので、いつ行っても楽しむことができそうです。

マザーズガーデン

上野ファームの庭づくりの第一歩はこのマザーズガーデンから始まりました。形にとらわれず自由にダイナミックにさまざまな花を植栽されており、植物たちの楽園のような庭です。所狭しと植えられた色とりどりの草花に目を引かれます。

バラ「トイトイトイ」
ガーデンにはノーム(妖精)がいます

庭の中心には印象的な池とそこに佇むかわいらしいとんがり屋根の小屋があり、それを囲むように草花が咲いています。ムーミンやピーターラビットなどが出てきそうなほど、メルヘンな雰囲気を持つガーデンです。

ミラーボーダー

帯状の花壇をボーダーといいますが、鏡合わせのように左右対称に植物を植え込んでいるボーダーがあるのでミラーボーダーと名付けられています。花の間を通り抜けることができるので心地よいガーデンになっています。

白樺の小道

北海道らしい光景の一つにあげられるのが白樺ではないでしょうか。こちらにも白樺が植えられており、白い木肌が美しい白樺を通り抜ける小道があります。筆者は初夏に訪れたので見られませんでしたが、白樺の間にはスイセンやチューリップなども植えてあり春には華やかさを増すそうです。

サークルボーダー

ネぺータやサルビアなど紫のグラディーションが楽しめるパープルウォークという名の小道を通り抜けると、大きな円状になっているガーデンがサークルボーダーです。円を4つのブロックに分け、それぞれのテーマカラーを決めて植え込んでおり、植物がもつ微妙な色の変化や表情をバラと一緒に楽しめます。

ロングボーダー

ここは曲線の道に合わせた50メートルほどの長いボーダなので、ロングボーダーと名付けられています。バラやダリアなどポイントになる花をリズミカルに入れて植えられており、青いベンチが映えます。

射的山

上野ファームの後ろにポッコリと見える丘が射的山です。昔は屯田兵の射的訓練場としても使われていた歴史のある山で、山のふもとには野原のような自然風の植栽が広がります。

頂上まで登ると、のどなかな田園風景や上川盆地を囲む山々をぐるりと見渡すことができ、カラフルな椅子に腰を掛けて眺めることもできます。

ノームの散歩道

ノームの庭と射的山を結ぶ散策路で、木立をくぐり抜けるような雰囲気はまるで秘密の抜け道のよう。途中に扉まで設置されており、ちょっとしたアトラクションのような感じもしますし、映画の主人公になった気分でドアを開けるとどこかに繋がっているようなワクワク感にそそられます。

ノームの庭

ノームの庭は、素朴な美しさを持つ野草やグラスが華やかな花と混じり合う自然風庭園のエリアです。名前にもなっているノームとは小さな妖精のことで、どうやらノームが真夜中に庭造りを手伝ってくれているようです。