――その毒は何がルーツなんですか。「和彫りのデジタルタトゥー」「栄養過多の落武者」のような絶妙なワードをどんどん放ってますけど。

前田 小学校6年生のときにパソコンを買ってもらって、そこからネット民というか、2ちゃんねるで悪口をずっと見ていたというのはあるかもしれないです。

大山 こいつの何が怖いって、見てるだけじゃなくてちゃんと悪口を書いてる時期もありましたから。まあたしかに口達者ではありますよね。お笑いライブをサボるときの言い訳とか、一丁前なんですよ。たとえば俺らは単独ライブをやらないんですけど、それは相方のネタ作りが大変というのと、ただやりたくないという理由がありまして。でも周りからサボってると受け取られないように、こいつは言い訳としてハライチの岩井さんの例を出すんですよ。単独に向けてネタを何本も作ると精度が薄くなってしまうから、ペースが遅くても強いネタを1本作ったほうがいい……という意見をお持ちらしくて、「俺はそのタイプなんだ」というプレゼンをするんです。(編注:なおハライチは2020年からは単独ライブを行っている)

前田 それはネットの記事を読んで使えるなと思って、すぐスクショしてフォルダに入れました。

大山 そう言いながら新ネタライブで薄いネタ1本持ってきてスベることもあるんで……。なんなんだよ!

――口達者なのは、どこで磨かれたんですか。

前田 わかんないです。でも、高校と大学はほとんど友達がいなかったので、その反動が今来ている可能性はあります。父親が無口で母親がめちゃくちゃおしゃべりだったから、両方遺伝しているのかもしれないですね。高校と大学のときは父親の部分が出て、今は母親の部分が出ている。

大山 そんな遺伝あんのかよ? 大体片方に寄るんだぞ!