保険期間を定期にするか終身にするかは、医療保険選びをする上で重要なポイントである。終身保険かどうかによって、保障内容や保険料についての考え方が変わってくるからだ。終身医療保険とはどういうもので、どのようなメリット・デメリットがあるのか、どういった場合にこの保険を選択すべきなのか、詳しく考察する。
終身医療保険の特徴について
終身医療保険は、「〇〇歳まで」というように保険期間が定められておらず、被保険者が亡くなるまでその保障が続く。また、保険期間中に更新の手続きをする必要もなく、保障内容・保険料が変わることもない。
終身医療保険の主な特徴をまとめると、以下のようになる。
- 保障が一生涯続く
- 保険料が変わらない
- 保障内容が変わらない
- 更新がない
定期医療保険の特徴について
定期医療保険は、「70歳まで」「80歳まで」というように保険期間が定められている。保険期間中も5年ごと、10年ごとなど期間ごとに自動更新され、保険期間満了後は保障がなくなってしまう。また更新後の保険料はその時点での年齢を基礎に算出されるため、そのままの保障内容で更新する場合は保険料が上がる。
定期医療保険の主な特徴をまとめると、以下のようになる。
- 保険期間が限定されている
- 一定期間ごとに更新がある
- 更新の度に、保険料が上がる(保障内容を変更しない場合)
- 保険期間後は更新をすることができず保障がなくなる
終身医療保険にはどんなメリットがあるのか
平均寿命が延伸化していることも影響してか、近年は終身医療保険に興味をもつ人が増加傾向にある。では、終身医療保険には、具体的にどのようなメリットがあるのだろうか。
長期的な安定性に優れている
終身医療保険は、加入時の保険料のまま、生涯にわたり保障を受けることができる。例えば30歳で入院日額1万円を主契約とする月額保険料3000円の終身医療保険に加入した場合、80歳になっても90歳になっても同じ保険料で同じ内容の保障を受けられるのだ。
一方、定期医療保険は保険期間が限定されているため満期後は保障がなくなるし、更新のたびに保険料が高くなる。もちろん保険料を更新前と同じくらいに調整することは可能だが、その場合は保障内容を小さくしなければならない。
さまざまなリスクを考慮したうえで入念な人生設計をしていても、不測の事態が起こるのが人生というものである。定年を迎えた後も悠々自適の生活を送れるだけの蓄えがあればいいが、そうでない人も多いだろう。定期保険のように年齢に比例して保険料が上がっていくタイプの保険では、資金力の低下に伴い保険料を払えなくなってしまう可能性がある。この点、終身医療保険は生涯にわたり、支払うべき保険料と受けられる保障があらかじめ決まっている。そのため老後の計画が立てやすいし、退職後も無理のない範囲で保険料を支払い一定の保障を受けることができる。
こういった意味において終身医療保険は、長期的な安定性に優れているといえるだろう。