2017年、学生時代は野球に打ち込み、何かしらのスポーツで日本代表としてプレーする密かな野望を抱いていた水越さんと、アメリカ留学時にクアッドボールの強豪チームで腕を磨いていた小山耕平さん(現日本クアッドボール協会代表理事)の出会いから、その活動が始まった。

 まず、水越さんの自宅で、友人らと英語で書かれた200ページ以上のルールブックを日本語に翻訳。ルールブックが完成すると、すぐに箒にまたがり本格的な練習が始まった。練習会を行うと、アメリカやノルウェーなどで既にプレー経験のあった選手たちも加わり、次第にプレーヤーも増えていき、国内でクラブチームも誕生した。

 大学内にもサークルができるなど、徐々にその裾野は広がりを見せ、現在では国内だけで、東京から沖縄まで8チーム、およそ200人の選手たちがプレーしている。

 国際大会にも積極的に出場し、2019年のアジア環太平洋選手権に初出場で準優勝を果たすと、2022年のクラブ選手権では1位から3位までを日本のクラブチームが独占する快進撃を見せた。今年の香港トーナメントでも優勝を果たすなど、アジア・チャンピオンに成長した通称「箒星JAPAN」は満を辞してワールドカップに初出場を果たした。