絶妙なリリースは「スレッズ対策」だったのか

「コミュニティノート」は、誤解を招く可能性のある投稿に対し、ユーザーが「ノート(注釈、注記)」の形で指摘を追加できる機能だ。これまではユーザーがリプライや引用リツイートの形で誤りを指摘することもできたが、それを進化させたものだ。

 ひとつのツイートに対しては、複数のノートを投稿できる。利用者はそのノートが役に立ったかどうか「はい」「少し」「いいえ」で評価し、さらにその理由についても選択して回答できる。

 そして「さまざまな視点かつ十分な数の協力者」から評価が集まると、当該ツイートにノートが表示されるしくみになっている。

 このような機能はスレッズにはもちろん、他のSNSにはない。リリースは以前から予定されていたのか、それともスレッズ対策で急遽行われたのかは分からないが、絶妙なタイミングだったといっていいだろう。

 一般的にSNSに対しては、匿名アカウントがデマや誹謗中傷を投稿する卑怯な行為が問題とされがちだ。しかし現在この機能でやり玉にあがっているのは、これまで“権威の象徴”とされていた新聞やテレビ、政治家による実名投稿である。

 東京新聞の望月衣塑子記者や日本共産党の志位和夫委員長、毎日新聞や東京新聞、朝日新聞の公式アカウントによる投稿に対し、「ツイートに記事内の重要な情報が欠けています」などのツッコミが入っている。

 しかしこの手のアカウントではノートの指摘に反応をせず、無視を決め込んでいる場合がほとんどだ。