「何より注目されたのは、ストーリーや役柄などを事前に一切明かさない手法を取ったこと。初回の世帯視聴率は平均11.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と、日曜劇場としては低めの水準になりましたが、映画のような映像美やアクションシーン、ジェットコースターのようなストーリー展開、さらに事前に伏せられていた二宮和也のサプライズ出演もありと、エンタメの見本のような初回で、評判は上々でした。伏線もいろいろと張り巡らされているようで、現時点でもタイトルにもなっている『vivant』という言葉が意味するところや、主人公の“ひとりごと”など謎は散りばめられ、考察したくなる作品になっている。ここから数字も伸ばしていくのでは」(テレビ誌記者)

 まさに「謎」で惹きつける作品なわけだが、今期は『VIVANT』以外にもおもしろい仕掛けのあるドラマがある。日本テレビ系土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』と、フジテレビ系木曜劇場『この素晴らしき世界』だ。

「どちらも脚本家が見慣れない名前ですが、誰かの変名ではないかと疑われており、その“正体”をめぐってさまざまな名前が挙がるなど、ドラマ好きの間で考察が行われています。

 『最高の教師』は、松岡茉優演じる高校教師が卒業式に教え子の誰かに殺されかけるも、始業式までなぜか時間が巻き戻り、犯人の生徒を教育し直すことを決意する……というストーリーで、物語自体がミステリーですが、脚本を担当しているのは『ツバキマサタカ』という人物。同ドラマは、菅田将暉主演で大きな反響を呼んだ2019年の『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』を手がけた福井雄太プロデューサーが関わる作品で、主題歌も菅田将暉が担当と、『3年A組』の精神的続編といえるもの。そんな注目作に新人作家を起用したなら、フジテレビの月9『真夏のシンデレラ』のように言及があってもおかしくないですが、脚本家については一切情報が明かされていません。そのため、ツバキマサタカは誰かの変名、もしくは複数作家のチーム名ではとみられています。