文中に「SMAP」や「ジャニーズ」といった表記はなく、「国民的グループ」「彼らが所属する事務所」と言い換えられるなどの“配慮”はあるが、「文藝春秋」が〈SMAPのいちばん長い日――“公開謝罪番組”担当の放送作家が描く崩壊と再生〉というサブタイトルを付けていることからも明らかなとおり、あの公開生謝罪の“真相”を明かす意図があったのは明白だったため、大きな反響を呼んだ。

 そして「文藝春秋」8月号に掲載された今回の第2弾は「小説『0909』~そして、みんなで、あの日に、ピース~」と題され、1991年から『SMAP×SMAP』が始まる1996年の5年間までの初期にスポットを当てた「今だからこその、始まりの物語」となっている。

 そんな鈴木氏だが、先日思わぬ注目も受けた。山下達郎が所属するスマイルカンパニー(以下SC)と音楽プロデューサーの松尾潔氏の騒動に対する発言が一部で取り上げられたのだ。

 ジャニーズ事務所の創業者である故・ジャニー喜多川氏が長年にわたって未成年に対して性加害を行っていたとする問題について、ジャニーズ事務所の対応に疑問を呈し、提言を繰り返していた音楽プロデューサーの松尾氏は7月1日、業務委託で契約していたSCから中途で契約を終了されたことを公表。「私がメディアでジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由」「私をスマイルに誘ってくださった山下達郎さんも会社方針に賛成とのこと、残念です」と暴露したが、これに対して、山下達郎は9日放送のラジオ番組で反論し、松尾氏のジャニーズ問題に対する発言について「憶測に基づく一方的な批判」と切り捨てたほか、「ジャニーさんの功績に対する尊敬の念は今も変わっていません」「私がいち個人、いちミュージシャンとして、ジャニーさんへのご恩を忘れないことや、ジャニーさんのプロデュサーとしての才能を認めることと、社会的・倫理的な意味での性加害を容認することとは、全くの別問題」と主張した。