文句なしの優勝!ダブルヒガシの強さ

『ABCお笑いグランプリ』

【こたけ正義感】
 現役弁護士であることを活かしたおなじみの法律ネタに、音楽の要素を加えた新しい見せ方をしていて素晴らしかった。『R-1グランプリ』は権利フリーの曲しか使えないので、まるっと「スキマスイッチ」の曲を使ったこのネタでの賞レース参戦は『ABC』ならではかもしれない。

【ダウ90000】
 昨年決勝に進出した際に、審査員の陣内智則さんから「お芝居」と評されたため、大会前からリベンジを公言していた8人。そのネタは見事なまでにコントで、去年の雪辱を晴らすことになり素晴らしかったし、なんなら「コント」というか「漫才」としても成立している気がして、こういうやり方なら8人で『M-1』にも挑戦できるのでは? とワクワクしてしまった。

【ヨネダ2000】
 昨年の『M-1』でも決勝に進出しているし、もう誰もが認める最強漫才師なのだが、今回のネタも「イリュージョン」とでもいうような突飛なネタで最高だった。もうヨネダ2000のネタに言及すること自体が野暮になっている気がするのだが、審査員から「もっと新しいことをやってほしい」と言われていて「それはさすがにかわいそうすぎる」と思ったので紹介させてもらった。

【ダブルヒガシ】
 こちらも文句なしの優勝。ここ2年くらいで見た彼らのネタは全部面白いし、昨年の『M-1』準々決勝もなぜ敗退したのか不思議なくらい爆笑をかっさらっていた。1つ1つのボケが強い上に人間としてのパワーがあって、さらに話の筋がドラマチックだったりするので無敵。今年の『M-1グランプリ』が本当に楽しみ。

 2日で27組のネタを見ることができたわけだが、さすがに2日連続賞レース決勝は疲れるのと、出場者も余韻に浸ってもらいたいので来年はもう少し日程をバラけさせてほしい。
夏の風物詩である『ツギクル』と『ABC』が終わったということは、『M-1』や『キングオブコント』の予選シーズンに突入するということだ。それぞれ優勝したナイチンゲールダンス、ダブルヒガシはきっと年末も主役になっているに違いない。

『第44回ABCお笑いグランプリ』